富士通研究所の研究員が開発したコンピュータ将棋ソフト「ボンクラーズ」が、日本将棋連盟の米長邦雄永世棋聖と対局し、勝利した。富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX400」を6台使用し、1秒間に約1800万手もの指し手を読むことができたという。
――コンピュータ将棋ソフトが永世棋聖を下した。2012年1月14日、東京・将棋会館で行われた「第1回 将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ」において、富士通研究所の研究員である伊藤英紀氏が開発したコンピュータ将棋ソフト「ボンクラーズ」が、日本将棋連盟の米長邦雄永世棋聖と対局し、113手で勝利した。ボンクラーズは2011年5月に開催されたコンピュータ将棋協会主催の「第21回 世界コンピュータ将棋選手権」でも優勝している。
ボンクラーズは、電気通信大学先端領域教育研究センターの特任助教である保木邦仁氏が作成したオープンソースのコンピュータ将棋ソフト「Bonanza(ボナンザ)」をベースに、伊藤氏が開発した将棋ソフトである。複数台のコンピュータ上でCPUを効率良く並列動作させる技術により、従来1台のコンピュータでは困難であった高速な計算を可能とし、将棋の指し手をより深く読めることが特長だ。
今回の対局では、富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX400」を6台使用し、1秒間に約1800万手もの指し手を読むことができたいう。なお、ボンクラーズという名称は、ベースとなったBonanzaと、並列コンピュータを意味する「クラスタ」を組み合わせた造語である。
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