片山右京氏も参加! あのヨタハチもいたEV祭トヨタや日産などメーカーも大集合! 日本EVフェスティバル2011(2/3 ページ)

» 2011年11月30日 10時00分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

ルール

  • 1周2kmのサーキットを、59分で何周できるかを競う
  • ドライバーの人数は無制限。ただし、ピットイン5回以上、ピットストップ30秒以上の停止を義務付ける(ドライバー人数による、周回数加算はありませんが、いっぱい乗せたで賞を設ける)
  • レース中のバッテリー交換、および充電は禁止(レース中以外でも許可のない充電は禁止)
  • ピットはホームストレート上に設置。ホームストレートは速度制限あり

 こちらも搭載バッテリーによって、日本EVクラブが定めた以下2つのクラスに分けられる。

  • 鉛バッテリークラス:鉛バッテリー搭載のクラス。モーターは自由。ただし、鉛バッテリーの総電力量が10kWh以上の場合、1周減算のハンディを設ける。
  • リチウムイオンバッテリークラス:鉛バッテリー以外(例:ニッケル水素バッテリー、リチウムイオンバッテリーなど)搭載のクラス。電池の総電力量によりハンディを設ける。10kWh以上15kWh未満は2周、15kwh以上は4周の減算。10kWh未満は減算なし。
evf2011 何となくノスタルジックな光景

 ヨタハチが! マイティボーイが! シルビアが! ――そこでは、かつての名車たちが、第二の人生、もとい車生を繰り広げていた。その走行はゆったりとしており、何となくノスタルジックだ。

 いまはすっかり見られなくなった、ボンネットを開けてメンテナンスする風景まで見られた。昔は、炎天下の日などに「車がエンコしちゃったよ!」なんてことをよく言ったもの。特に昭和に青春の日々を送った人たちにとっては、普段はすっかり忘れ去っている記憶をくすぐる瞬間だろう。

ヨタハチ ヨタハチこと「トヨタスポーツ800」:トヨタ東京自動車大学校 No.25
MB 「シルビア S13」(日産自動車):千葉県自動車大学校 No.9

 全体的に走行がのんびり(まちまちだが、遅い車両では時速30kmぐらいで走っていた)しているのは、交換や充電が不可であるバッテリーを効率よく消費しながら59分間コースを走り切るため。マラソンと同様に、最初から飛ばし過ぎてしまうと、後から損をしてしまう羽目になる。

 そして、なぜ「59分」という中途半端な時間なのかといえば、ベートーベン交響曲第3番「英雄」(演奏時間59分)をBGMに合わせて走行し、その曲の終了と合わせてレースが終了するため。『英雄』を選曲したのには、「さまざまな苦難にチャレンジし、凱旋する」のが英雄であり、「日本の皆、東北の皆、会場にいる皆が、英雄である」「EVの技術を震災復興の力へ」という思いからだという。BGMが流せるのも、静かなEVの走行イベントならではだ。

学生フォーミュラとの比較

 今回の日本EVフェスティバルで、工学院大学の雑賀高教授と長澤拓さんに会うことができた。実は、長澤さんは学生フォーミュラとEVの活動を兼ねるばかりか、双方のチームリーダーまで務めている。

evf2011 長澤拓さん

 今回、工学院大学チームのEVカートについては、学生フォーミュラのようにカウルやシャシーは一から設計せず、エンジンカートのキットを購入したそう。カウルの有無はレギュレーションに含まれておらず、なくても参加が可能だという。以前はカウルを一から製作したこともあったが、そこに労力を掛けても成果に直結しないと実感し、以後は市販品をそのまま用いることにしているということだ。

 エンジンからバッテリーに乗せ換えるので、当然、モーターとエンジンのトルク特性の違いも考慮する。改造の際に発生する新規部品の一部には、学生自身が切削加工で製作したものもある。

 3次元CADは、安全な配線の取り回しを検討するのに活躍したという。配線が露出していると、ドライバーは感電してしまう恐れがある。

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