ERK 30分耐久チャレンジで、工学院大学はカート2台で参加。共に、DCブラシモーターで、鉛バッテリーを搭載。
1台(No.71)はERK1で参加し、重たいバッテリーを30秒間ほどで速やかに交換しやすいように、ラックの形状はシンプルに、出し入れしやすく、かつ効率よく端子接続が可能とした。もう1台(No.46)はERK2で参加し、バッテリーを交換しない方式とした。総電圧が72Vとバッテリー容量が大きめだったこともあり、交換せずに走り切ることを目指した。2台の車両は共に、「時速100kmいくかいかないかぐらいの速度」で走っていたと話した。
今回のカートは、アクセルの応答性(制御が原因と推測)がやや悪かったので、その改善が今後の課題だということだ。タイヤも思ったより摩耗していなかったので、もう少し使い切りたいところだったという。
59分ディスタンスチャレンジでは、過去、同校の大学院生がその研究課題として設計していた物を基に、年々改良を加えた車両で参加した。ベース車両は、スズキのマイティーボーイで、その愛称は「まー坊」とかわいらしい。レース時は時速40〜50kmぐらいで走行していたが、走り終えてから「マージンを取り過ぎてしまった」と感じ、「もう少し飛ばしてもよかったかな」と長澤さんは話した。
EV製作のプロジェクトは、1年間通して行う活動だ。さらにフォーミュラプロジェクトも同様であり、その両立は一体どうやっているのか、長澤さんに尋ねてみた。
基本的には、活動は「かぶっている」のが常だという。ただし、フォーミュラと比べてしまえば、EVは設計する要素が大幅に少ないのが幸いしているようだ。
さらに、工学院大学のフォーミュラプロジェクトの活動では、設計製作の作業が発生しない期間が、9月の大会終了から11月頭まで存在する。長澤さんはこの期間に、集中してEVプロジェクトの活動をしたということだ。ちなみに、このEVフェスティバルが終わると、翌年の4月までは学生フォーミュラプロジェクトの活動に集中するそうだ……、お疲れさま。
車づくりが好きで好きで仕方がない長澤さん。「授業は大丈夫なのか」と心配になるが、何とか両立しているようだ。
環境EXPOでは、「EVの最新情報と環境対応技術」をテーマとし、国内や外資の有名自動車メーカーがこぞって出展。各社のブース巡りツアーや試乗会も開催した。祝日開催とだけあって、車好きの子どもたちでにぎわい、ブースツアーでは通常のプレス向け発表とは大分雰囲気が違う、くだけた趣の製品紹介を味わうことができた。
最後には、表彰式も開催。結果は以下の通り。
ERK1クラス
ERK2クラス
ERK リチウムクラス
いっぱい乗せたで賞:耐久チャレンジのドライバー人数(初乗りのみカウント)のもっとも多いチームを表彰。
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案の定、震災の影響が懸念された本イベントだが、集客や参加者の数などに大きく響くことはなく大盛況だった。2012年大会では、東北地方の人たちの参加が増えてくれることを祈りたい。
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