一方、トヨタ自動車やホンダ、三菱自動車は他の6社と組み、2011年11月24日、会員制の急速充電サービス「合同会社充電網整備推進機構」(以下、整備推進機構)を立ち上げると発表した。2011年12月中の設立を目指す。
参加企業は自動車3社の他、アルバックと兼松、関電工、鈴与商事、中部電力、日本政策投資銀行*3)。
*3) 出資比率は自動車3社と中部電力が18.2%、日本政策投資銀行が9.1%、その他の4社が4.5%である。
9社が整備推進機構を立ち上げた理由は、はっきりしている。充電器設置費用の回収手段が少ないことだ。企業や団体が自社で利用する場合や、地方自治体が行政サービスとして設置する場合を除くと、企業が積極的に急速充電器を置く動機が見当たらない。
整備推進機構が目指す急速充電インフラの拡大策は次のようなものだ(図2)。日産自動車のように特定の充電器を想定せず、会員サービスの普及を重視する。
会員制急速充電サービスは2012年度から開始する予定だ*4)。会費や会員サービスの内容はサービス開始までに公表する予定。「2012年度早期のサービス開始を予定しており、会員サービスは個人向けのメニューと法人向けメニューに分けることを想定している」(トヨタ自動車)。
*4) 今回の会員サービスは急速充電インフラの普及を推進するCHAdeMO協議会が、2010年7月に設置したワーキンググループで検討を進めてきたものだ。
「日産自動車」対「トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車」という構図が目立つものの、会員サービスを立ち上げ、課金システムを整備することで密な充電器網を作り上げるという理念は、どちらも同じである。
今後は、両社の協力体制がどのように進むのかが課題となる。「ジャパンチャージネットワークの目指す目的は整備推進機構と同じだと捉えている。当社としては協力体制を築きたい」(トヨタ自動車、三菱自動車)。
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