構造解析のアプリケーションがクラウド上に存在し、そこで処理がされるため、その分ローカルのマシンパワーを費やさなくて済む「Autodesk Inventor optimization」など、オートデスクの新クラウドサービスの日本語版が公開される。
オートデスクは同社のクラウドコンピューティングによる新サービス「Autodesk Cloud」(オートデスク クラウド)の日本語版の提供を開始する(近日中公開予定注*)。
本サービスのアプリケーションはクラウド上に存在し、PCにプログラムをダウンロードしインストールせずに利用できる(モバイルアプリケーションについては、モバイル機器本体にインストールして利用する)。
注*2011年09月28日のプレスリリースでは「Autodesk Cloud の日本語版は、2011年10月26日から提供を開始する」となっていたが、本記事の公開時点で正式な公開日は未定。プレスリリースは関連リンクに。
Autodesk Cloudでは、以下のアプリケーションを無償で提供している。
AutoCAD WSについては、既に300万人以上のユーザーがいることから、このようなクラウドサービスのニーズは非常に高いと同社では見ているという
データストレージは、同社のサブスクリプション(年間保守契約)ユーザーは3Gバイト、非サブスクリプションユーザーは1Gバイトまで無償で提供する。サブスクリプションユーザーに対しては、さらに以下のサービスも無償で提供する。
レンダラー、構造解析アプリケーションもクラウド上に存在し、そこで処理がされるため、その分ローカルのマシンパワーを費やさなくて済むということだ。
「既にInventor optimizationを業務で使っている(米国の)ユーザーの話ですが、いままで4日間かけていたシミュレーションが1時間半で済んだとのことです。レンダリングについても、1日に2000件もこなしているそうです」(米オートデスク AutoCAD プロダクトライングループ担当副社長 エイミー バンゼル氏)。
建築業界向けとしては、以下。
このような同社のクラウドアプリケーションは、今後も増やしていく予定とのことだ。
サブスクリプションユーザーについては、SubscriptionセンターのログインIDとパスワードでAutodesk Cloudにアクセスできる。
非サブスクリプションユーザーは、以下のいずれかでアクセス可能だ。
データ使用量の確認は、同社のユーザー専用ページから確認できる。
Autodesk Cloudで共有するデータのアクセス権限や編集権限については、ワークスペースへデータを送る際に設定可能だ。
データ管理のセキュリティ保護については、同社のパートナー企業の協力の下、強化しているという。Autodesk Cloudでアップロードするデータは同社パートナーのアマゾンによる「Amazon Cloud」内に保管される。Amazonにデータを置かず、仮想フォルダでアクセスする設定も可能だ。外部ストレージサービスや自社でホスティングするサーバに保管も可能だ(「サービスへの接続」機能)。また、同様にパートナー企業であるシトリックス社のシステムを利用し、各アプリケーションを仮想化して提供している。
「クラウドアプリケーションの開発に当たっては、この分野について高度なスキルを持った人材を新たに採用しました。また関連企業を買収し、社員にはトレーニングを受けてもらい専門知識も身に付けてもらいました。この技術はオートデスクにとって、今後も長年にわたり必要になるだろうということで、そこにしっかり投資をしたのです。正式リリース前には、Autodesk Labを通してユーザーにβ版を使ってもらい、評価をしながら開発を詰めていきました」(バンゼル)氏。
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