リフロー工程の加熱による温度分布解析専用のソフトウェアが登場。解析ソフトウェアの専門知識なしで操作できる点が特徴だ。
富士通および富士通長野システムエンジニアリングは2011年7月19日、電子部品のリフロー工程解析の専用ソフトウェア「SimPRESSO/RFL」の販売を開始した(出荷は2011年8月上旬予定)。価格は180万円(5ライセンス)。利用には、「SimPRESSO」シリーズの基本機能を提供する「SimPRESSO/MS」(200万円)の購入が必要となる。
電子部品のはんだ付けを行うリフロー工程は部品を高温環境にさらすため、部品へのダメージを考慮する必要がある。このため、加温時間や温度の調整が難しい。特に最近では、通常のはんだよりも融点が高い鉛フリーはんだが主流となっているため、熱のダメージを最小限に抑えるための調整が難しく、一般には熟練者による調整が行われることが多い領域とされる。
同製品は、このリフロー工程の温度分布解析に特化したソフトウェア。事前に加工時間や熱の影響範囲などがシミュレーションできるため、最適な加熱時間・温度を確認できるようになる。これにより、テスト部品による実測回数を削減し、開発リードタイム短縮が期待できるほか、最適な温度と時間を設定することで品質の向上も可能になるとしている。
両社が展開するSimPRESSOシリーズは、手順ガイドに沿って操作するだけで各種解析を実現するように作られているのが特徴の製品群。一般的な熱解析では解析専用のソフトウェアを使い、パラメータなどを適切に設定して検証を行う必要があるが、同製品は用途(利用シナリオ)を明確にすることで、操作を簡易にしている。これにより、専門の解析部門に依頼するような手間を掛けずに検証し、結果を迅速に共有できるようになるという。
SimPRESSOシリーズでは、既に2011年1月にプリント基板の熱によるゆがみ解析向けのソフトウェア(「SimPRESSO/BTS」)を提供しており、今回発表されたSimPRESSO/RFLはシリーズの第2弾となる。
両社では今後もSimPRESSOシリーズで各種シナリオ向け解析製品をリリースするとしている。
なお、同製品は2011年7月20〜22日に東京ビッグサイトで開催する「TECHNO-FRONTIER 2011」に出展予定となっている。
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