電気と熱の効率的管理で快適な暮らしと省エネを両立する家を目指した3年間の居住実験を奈良県の住宅で実施する。
大阪ガスと積水ハウスは2月1日、電気と熱を効率的に管理することで、居住者の快適な暮らしと省エネを両立する「スマートエネルギーハウス」の実現を目指して、3年間の居住実験を開始すると発表した。
スマートエネルギーハウスは、天然ガスを燃料とした家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC)と太陽電池による「ダブル発電」に蓄電池を組み合わせ、ITを駆使することで電気と熱をスマートに「創る・貯める・使う」ことにより、快適で環境に優しい暮らしを実現する住宅と定義している。
両社は2009年度に経済産業省委託事業「スマートハウス実証プロジェクト」に参加し、燃料電池・太陽電池・蓄電池を最適制御して居住者の省エネ行動を促進する省エネシステムの実現性について確認した。今回の実験では、実居住環境下における省エネ効果及び居住者の快適性・利便性の向上の検証を目的としており、実験を通じて住宅だけでなく居住者が利用するEVまでを含めたCO2排出量を総合的に0にするシステムの実現を目指すとしている。
実験に使用する住宅(住所:奈良県北葛城郡、軽量鉄骨造2階建、4LDK、床面積:138.8m2、居住3人)は、SOFC(発電容量 700W)・太陽電池(多結晶型、発電容量5.08kW)・リチウムイオン二次電池(蓄電容量3.5kWh)を設置しており、これらを用いた3年間の居住実験は日本で初めてという。住宅には、EV充電設備、LED照明などの省CO2・省エネ設備の他、自動制御の電動シャッターやカーテン・通風ファンなど居住利便性・快適性の向上を図りながら、省エネ効果も期待できる自動制御設備を導入した。
実験ではこれら設備の管理・制御、エネルギーの見える化と省エネアドバイスをHEMSによって行い、得られる省エネ効果・快適性を検証する。さらに行動観察による居住者のHEMSの利用実態や利用後の意識・ライフスタイルの変化の分析も行う予定。
両社はこの実験によって、2015年までに実用レベルの管理・制御技術の開発を完了して、スマートエネルギーハウスの早期市場導入を目指すとしている。
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