開発コード「チベ」。楽しくこだわり抜くガンダムポメラ隣のメカ設計事情レポート(7)(3/4 ページ)

» 2010年11月19日 00時00分 公開
[小林由美@IT MONOist]

【設計】3次元モデルが共通言語、変わらず

 日中合同のポメラ開発部隊は3次元モデルを共通言語とし、さらに今回、「ガンダム」というキーワードで、さらに絆(きずな)を強めていた。過去記事で紹介した3次元CADの図+英語でのコミュニケーションは、当然健在だった。

3次元モデルの前で議論

設計課題 1:パネルの角、面取り形状(シャア・アズナブルモデル)

意訳「四隅の面取り形状について確認です。オリジナルの3次元ファイルは、キングジムから4月に送られたものです」「これがオリジナルの設計(TYPE-1)」「提案形状(TYPE-2)」
シャア・アズナブルモデルのパネルに関して、キングジムの指示:こちらには日本語と手描きの英語

設計課題 2:ドット模様の加工方法(ジオン軍モデル)

意訳「1.端面付近のドット模様とネジの位置はこのようになります」「2.現在のドット模様の形状は球状」

【企画と製作】難しい色出し

 キャラクターありきの製品では、やはり色は非常に重要になる。デザイン画上での色調整はどうとでもなるが、実際にプラスチックで成形していけば、当然、その調整は簡単にはいかない。そのうえ、その色がアリかどうかの判断は、人それぞれの考えや感性により基準が異なる。ガンダムポメラも例外でなく、色出しについては紆余曲折があったとのことだ。

 かつて尾花氏はガンダムのアニメを観ていて、砂漠の中から青いランバ・ラル専用機がムクムクッと出現するシーンが強く印象に残っていたという。そして、その美しい青を製品でも忠実に再現したいと考えた。

 しかし、その青の製品を仮定しデザインすると、何となく子供っぽく、非常にポップな印象になってしまう。30代半〜40代前半とするこの製品のターゲットユーザーたちが、その色をどう思うか。

ガンプラ (C)創通・サンライズ

 例えばアニメのキャラクターは鮮やかな配色の服装をしていることが多い。テレビ画面で観ている分には違和感はない。しかしそれが実際、現実のわたしたちがそのとおりの配色の服を着たら、どうか。その感覚だろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.