例題に沿ってカンタン3段ステップ特許検索方法を解説してきましたが、何かご質問はありますか?
(う〜ん、もっと頻繁に自分で特許検索を行って慣れないといけないなぁ)
特許というのは読みにくい、分かりにくい、探しにくいと3拍子そろっているため技術者や研究者の方から敬遠される傾向にあります。しかし自社の研究開発活動を推進していくうえで、技術者・研究者の方が特許検索を自ら行えるようになるのが理想形だと思っています。
セミナー1日目の最後に特許調査を行った後の話をちょっとしたいと思います。特許調査というのは「調査を行ってハイおしまい!」ではなく、しっかりとその結果を保存しておく必要があります、また必要に応じて調査結果のメンテナンスも必要です。
図12に公報テキスト検索でヒットした特許リストをExcelに張り付けて、関連度・自社コメントを記入した例を示しました。特許調査の結果を保存する場合は
は最低限記録しておく必要があります。半年後、1年後に同じ調査を行う際に「あれっ? 前回ってどこまで調べたっけ?」なんてことのないように。
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さてそろそろ今日のセミナーの時間も終わりに近づきました。今日は特許の調べ方というところに焦点を当ててお話ししました。明日は特許分析の基礎とパテントマップについて説明したいと思います。お疲れさまでした。
今回は記事分量の関係で特許調査中心となってしまいました。自分でもっと学びたいという方のために無料で購読・入手できる情報・テキストをまとめました。最近では工業所有権情報・研修館がeラーニングも準備して無料で閲覧できますので、ぜひとも活用していただきたいと思います。
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以上で第4回は終了です、お疲れさまでした。特許検索・特許調査にはコツやテクニックはもちろん重要です。しかし上達するための近道は、自分で繰り返し繰り返し特許電子図書館やほかの特許データベースと格闘することだと思います(次回に続く)。
ランドンIP合同会社 野崎篤志(のざき あつし)
1977年新潟県生まれ。
2002年慶応義塾大学院 理工学研究科 総合デザイン工学専攻修了(工学修士)。
2010年金沢工業大学院 工学研究科 ビジネスアーキテクト専攻修了(経営情報修士)。
日本技術貿易株式会社・IP総研を経て、現在ランドンIP合同会社シニアディレクター(日本事業統括部長)。
知的財産権のリサーチ・コンサルティングやセミナー業務に従事する傍ら、Webサイトe-Patent Map.net・e-Patent Search.netやメールマガジン「特許電子図書館を使った特許検索のコツ」を運営・発行している。
著書に『EXCELを用いたパテントマップ作成・活用ノウハウ』(技術情報協会)、『知的財産戦略教本』(部分執筆、R&Dプランニング)、『欧州特許の調べ方』(編著、情報科学技術協会)、『経営戦略の三位一体を実現するための特許情報分析とパテントマップ作成入門』(発明協会)がある。
知財マネジメントの基礎から応用、業界動向までを網羅した「知財マネジメント」コーナーでは、知財関連の情報を集約しています。併せてご覧ください。
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