知財戦略ってなに? お金になるの?? 知的財産戦略を実践して事業に貢献するために必要な機能・要素の定義から、本当に使える知識を身に付けよう
知財戦略ってなに? お金になるの?? 知的財産戦略を実践して事業に貢献するために必要な機能・要素の定義から、本当に使える知識を身に付けよう
製品開発の戦略作りには技術特許のルールや、技術情報活用の利点を理解しておくことが重要。本連載では知的財産権にかかわるトラブルへの対処法から、特許技術情報を基にした戦略構築の手法までを紹介する(編集部)
皆さん、こんにちは。日本技術貿易の野崎です。「自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識」の第3回を始めたいと思います。
前回は知財戦略の「キホン」と知財戦略を実践するに当たって必要な機能や要素について解説しました。今回は特許庁や中小企業庁の実施している統計・アンケート結果を基に、大企業と中小企業の知財戦略の実態について確認していきたいと思います。
今回紹介するデータは、特許庁が平成14年度以降、企業や大学・研究機関などの知的財産活動を定量的に把握するために実施している「知的財産活動調査」と、政府が毎年中小企業の動向を国会へ報告するために作成している「中小企業白書」です。
なお、中小企業白書からは三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が実施した「市場攻略と知的財産戦略にかかるアンケート調査」(2008年12月、営利法人5万5000社を対象に実施したアンケート調査:回収率15.7%)の結果を主に紹介していきます。
まず一番始めに注目すべきデータから見ていただきたいと思います。図1は国内の中小製造企業を対象にした特許保有形態別の従業員1人当たり営業利益のグラフです。
以下の3つの特許保有形態ごとに、保有企業と非保有企業の従業員1人当たり営業利益を比較しています。
いずれの保有形態においても、特許保有企業の方が非保有企業よりも従業員1人当たり営業利益が高い、つまり特許を持っている企業の方がもうかっていることが分かります。
前回「事業の成功と知財戦略の実践」という2×2のマトリックスを使って、知財経営企業・知財重視企業・知財リスク保有企業・知財軽視企業の4タイプに分けました。
図1の結果は、特許保有形態に限った話ではありますが、知財戦略を実践していれば事業が成功している知財経営企業になる傾向があり、逆に知財戦略を実践していないともうからない「知財軽視企業」に陥りやすいということを示しています。
知財マネジメントの基礎から応用、業界動向までを網羅した「知財マネジメント」コーナーでは、知財関連の情報を集約しています。併せてご覧ください。
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