続いて、大企業・中小企業別に特許権を中心とした知財戦略の実態について見ていきたいと思います。図2は大企業と中小企業別に見た特許の取得状況です。大企業では80%近くが特許を取得しているのに対して、中小企業では30%程度にとどまっています。中小企業では過去に取得していた企業を合わせても50%に到達しません。これからは「知恵の時代」であることを踏まえると、中小企業も知恵を法的に保護する特許権を積極的に取得していくことが望ましいでしょう。
ただし、何でもかんでも特許出願を行えばいいというものではありません。前回「【参考】日本の特許電子図書館は海外からも人気」でも説明したとおり、日本特許を検索できる特許電子図書館へのアクセスの半分以上は中国・韓国・台湾からといわれています。もしも特許が権利化できなかった場合、タダで貴重な技術情報を提供してしまうことになりかねません。特許として出願・権利化した方がいいのか、それとも営業秘密・ノウハウとして秘匿しておいた方がいいのかしっかりと選別する必要があります。
この特許出願・営業秘密に対する戦略について示したのが図3です。
大企業では「積極的に特許出願を行っている企業」で50%を超えており、営業秘密・ノウハウ化する戦略を取っている企業も合わせると全体の約70%に達します。一方、中小企業では「特に方針を定めていない」企業が半分近くに達しており、特許出願・営業秘密に対する戦略を取っている企業は30%程度にとどまっています。
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