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» 2009年05月20日 00時00分 公開

XVLで海外拠点での作業の効率化を図るU-XVLが3D部品表にも対応する

[小林由美,@IT MONOist]

 ラティス・テクノロジーは2009年5月20日、3D部品表・作業指示書自動作成/配信ソフトウェア「XVL Web Master Ver. 8.0」を発表した。発売開始は6月5日からとのことだ。

 「XVL Web Master」は、CADで作成した3次元モデルの部品構成情報と、部品表(BOM)や作業指示書内の項目とをリンクさせた書類をWebブラウザ上で閲覧できるようにするツールだ。3次元モデルは同社が開発したデータフォーマット「XVL(eXtensible Virtual world description Language)」に変換し圧縮しておく。それをデータセンターに保管し、部品表や作業指示書はそこに格納した3次元モデルデータにアクセスするようにする。部品表や作業指示書の内容、それらに対応する3次元モデルをCSVファイルで定義する(部品表のCSVデータは3次元CAD側で定義して吐き出すことが可能)。

 Ver. 8.0では、同社が開発した新データフォーマット「U-XVL(Unified XVL=V-XVL Ver.10)」に対応した。『「U」は「Unified」の頭文字。U-XVLは、従来のXVLと比べて2分の1程度まで軽量化できる』と2009日4月8日のMONOistニュースでも紹介したが、どの部分が「Unified」なのかという記者の問いに、「第1世代フォーマットのP-XVLの利点である超軽量・高精度と、第2世代フォーマットのV-XVLの利点である大容量データの高速表示とを統合(=Unified)したこと」だとラティス・テクノロジー 代表取締役社長で理学博士の鳥谷浩志氏は答える。高い圧縮率だが、画像が荒れることはないという。

 上述のように、あらかじめXVLデータと、部品項目とモデルをリンクさせるためのCSVを用意しておけば、画像1のようなWebページ(html)が自動作成できる。

画像1 XVL Web Master Ver. 8.0:大規模アセンブリと部品表がリンクした様子。選択した部品が赤くハイライトしている。画像のモデルは人工衛星で、寸法データは1分の1スケール

 ページができてしまえば、閲覧する側は直感的に部品や組み立ての情報を得ることができる。表の中の1つの部品項目をクリックすると、画面上部にあるアセンブリモデル中の該当部品がハイライトし、さらに左下にも部品単体のプレビューを表示することができる。表の中には、個数や接着剤の指示、組み立ての際の注意事項なども入れられる。上の画像のようなアセンブリモデルの代わりに、部品番号を振った分解図も表示可能だ。3次元モデルによる分解/組み立てアニメーションを添えることもできる。

 画像2のようなバイクの全体を表示させての動作だけでは、同製品の表示速度にあまりピンとこないかもしれない。スピードメーターのあたりまでクローズアップすると、かなりの部品点数が詰まっていることが分かる。

画像2 XVL Web Master Ver. 8.0のデモ画面(バイク) ※画像をクリックすると拡大します。

 この部品点数で、3次元CAD上でモデルデータを扱った場合*すべてをアクティブ表示にしている場合、非常に動作が重くなリ、フリーズしてしまう。

 同社Webページでは同製品の3D部品表のサンプルを体験できる。閲覧するには「XVL Player Ver.10.0」(無償)のダウンロードが必要だ。

 現在、生産現場での組み立て指示図や部品表は紙であることが多い。2次元上のアイソメ図や3面図だけでは、組み立て指示などが分かりづらい場合もある。PC上で3次元モデルによるアセンブリデータや動画とともに、部品や組み立て情報が閲覧できれば、そういった指示の取り違いなども減らせるだろうとのことだ。

 3次元モデルを一旦データ変換し、データベースへ集約するプロセスがあるため、同製品の導入を進める際には、設計変更によるデータ修正が入った場合の対応・連絡手段を整理しておく必要がある。それさえ済んでしまえば、設計変更があっても、部品表や作業手順書が一斉に差し換わるシステムが出来上がる。大きな問題がなければ、半年もあれば試運用の段階まで進む企業が多いと鳥谷氏はいう。

 同製品では3次元モデルをXVLにより高圧縮し、モデルをロードする際のメモリ使用量も抑えているため、ロースペックなPC上や、インターネット回線の速度が遅い環境でも大規模アセンブリと帳票の閲覧ができるので、ITインフラが十分に整っていない地域でも活用できるとのことだ。同社は、同製品の市場投入によって、製造業の海外拠点での生産効率を上げるために貢献したいとの考えだという。

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