アプレットのひな型ができたら、次に「Makefile」の修正を行います。
「mtd-utils」ディレクトリの中のファイルをコンパイルするよう「Makefile」にエントリを追加します。
追加すべき行は以下のとおりです。
(中略) libs-y:= \ archival/ \ (中略) modutils/ \ mtd-utils/ \ ←この行を追加 (中略)
さらに、「mtd-utils/Kbuild」というファイルを以下の内容で作成します。
lib-y:= lib-$(CONFIG_MTD_DEBUG) += mtd_debug.o
これで、BusyBoxの設定メニューからmtd_debugを選んだ際、「mtd_debug.c」がコンパイル対象となります。
本稿の最後に、これまでの作業で「mtd_debug」アプレットが本当に追加されたかどうかを確認してみます。
make menuconfigで「mtd_debug」アプレットを有効にして「make」します。そして、「mtd_debug」アプレットを起動してみてください。いかがでしょうか? 以下のように「hello」と表示されれば成功です。
$ ./busybox mtd_debug hello
もし、うまく表示されなかった場合は本稿の内容をもう一度確認し、設定などの見直しを行ってみてください。
というわけで、今回は新規アプレットを追加するために必要な作業(1)〜(3)の解説を行い、「hello」と表示する実にシンプルなアプレット(「mtd_debug」アプレットのひな型)の作成を行いました。
次回「BusyBoxを拡張してアプレットを追加する方法」【後編】では、「mtd_debug」アプレットに「mtd_debug」コマンドの機能を記述・移植します。また、アプレットのチューニングについても解説する予定です。ご期待ください!(次回に続く)
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