2つ目の演習問題は、【演習1】と同じく全部で20問ある。選択項目から当てはまる解答を選んでいただきたい。
なお、ここでの出題範囲は「オーバーロードフレーム」「エラーフレーム」についてと、「物理層」についてだ。
【演習2】:解答
問21.オーバーロードフレーム 問22.プライマリ・エラーフラグ 問23.ビットモニタリング 問24.アクナレッジチェック 問25.CRCチェック 問26.フォームチェック 問27.スタッフチェック 問28.中断されたデータフレームを再送信 問29.EOFの最初から送信される 問30.8 問31.アクティブ 問32.パッシブ 問33.増減なし 問34.送信待機 問35.V2.0A 問36.無視する 問37.正常に受信する 問38.125kbps 問39.1Mbps 問40.120Ω |
問21〜34については、連載第3回「CANを理解するうえで欠かせない“フレーム”の知識」からで、主にオーバーロードフレームとエラーフレーム(エラー時の動作含む)からの出題だ。そして、問35〜40は連載第4回「実装や試験で役立つ物理層から見るCANの仕組み」からの出題、つまり物理層に関する問題だ。
ここでは、典型的な引っ掛け問題として出題した“パッシブとなった送信ノードがアクナレッジエラーを検出したときのエラーカウンタの値”について補足しておく(問33)。
通常はアクナレッジエラー検出により、送信エラーカウンタに「8」が加算されるが、パッシブ時には例外規定としてエラーカウンタに加算は行われない。よって、ここでの解答は「増減なし」となる。忘れてしまいがちなので、しっかりと覚えておこう。
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今回は総まとめとして、これまで本連載で解説してきた内容から演習問題を用意した。今回の出題範囲でCANのすべてを網羅しているわけではないが、少なくともこれらの内容を理解できていれば、CANの実装時に困ることはないだろう。途中であきらめずに過去の記事を参考にしながらぜひ最後まで取り組んでほしい。
本連載の序章「ベンツ SクラスではじまるCAN普及の歴史」でも触れているが、自動車には「CAN」「LIN」「MOST」「FlexRay」など複数の車載ネットワークが搭載されており、今後もより複雑化が進むものと思われる。その中でも、車両制御系ネットワークの標準規格となっているCANの必要性は今後も続いていくであろう。
最後に、本連載で解説したCANの基礎知識が、車載ネットワーク開発に携わる、もしくは今後携わる予定のあるエンジニアの方々の一助になれば幸いである。(連載完)
【 筆者紹介 】 ベクター・ジャパン株式会社 トレーニング部 チームリーダー 増田 浩史(ますだ ひろし) ベクター・ジャパンのトレーニング部 講師としてCAN、LINといったさまざまな通信プロトコルや開発ツールを対象としたトレーニングサービスに従事。受講者のレベルに応じて最適なトレーニングを提供できるように日々業務に取り組んでいる。 ▼ベクター・ジャパン https://www.vector.com/jp/ja/ ▼トレーニングサービスの概要 https://vector-academy.com/vj_training_jp.html,,6863.html |
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