演習で振り返る“車載ネットワークCAN”の基礎車載ネットワーク“CANの仕組み”教えます(6)(2/2 ページ)

» 2008年12月05日 00時00分 公開
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【演習2】(全20問/1問5点)

 2つ目の演習問題は、【演習1】と同じく全部で20問ある。選択項目から当てはまる解答を選んでいただきたい。

 なお、ここでの出題範囲は「オーバーロードフレーム」「エラーフレーム」についてと、「物理層」についてだ。


「オーバーロードフレーム」と「エラーフレーム」について

問21.CANコントローラが、前回受信したフレームの処理をまだ完了していないときに、次のフレーム送信を遅延させるために用いるものとは?
答え.

問22.エラー発見時に最初に送信されるものとは?
答え.

問23.送信データと、バス上をサンプリングしたデータとの相違をチェックするメカニズムとは?
答え.

問24.アクナレッジスロットにおいて、該当個所のバス状態がリセッシブのままかどうかをチェックするものとは?
答え.

問25.受信ノードが演算したCRCとフレームに含まれるCRCの値の合致をチェックするものとは?
答え.

問26.CRCデリミタ、アクナレッジデリミタ、EOFにおいて、ドミナントが検出されるかどうかをチェックするものとは?
答え.

問27.ビットスタッフィングルールが守られているかどうかをチェックするものとは?
答え.

問28.エラーフレームが流れたときにデータフレームを送信していたノードは、エラーフレームの後にどのようなことを行うか?
答え.

問29.CRCエラーを検出した場合、エラーフラグはどのように送られるか?
答え.

問30.受信ノードがプライマリ・エラーフラグを送信したときに受信エラーカウンタに加算される値は?
答え.

問31.受信エラーカウンタの値が「0〜127」の状態のことを何というか?
答え.

問32.送信エラーカウンタの値が「129」だった場合、この状態はどれに該当するか?
答え.

問33.パッシブとなった送信ノードがアクナレッジエラーを検出したときのエラーカウンタの値はどうなるか?
答え.

問34.パッシブとなった送信ノードが行う処理とは?
答え.

ヒント3:
第3回「CANを理解するうえで欠かせない“フレーム”の知識」
/mn/articles/0808/07/news129.html

「物理層」について

問35.CANのプロトコルバージョンにおいて、標準フォーマットのみに対応している規格とは?
答え.

問36.CANのプロトコルバージョン「V2.0B パッシブ」を使用し、拡張フォーマット(29ビットID)を受信した場合どのようになるか?
答え.

問37.CANのプロトコルバージョン「V2.0B アクティブ」の場合、拡張フォーマット(29ビットID)を受信した場合どのようになるか?
答え.

問38.Low Speed CANの最大通信速度は?
答え.

問39.High Speed CANの最大通信速度は?
答え.

問40.High Speed CANのCANバスに接続される2個の終端抵抗はそれぞれ何Ωか?
答え.

ヒント4:
第4回「実装や試験で役立つ物理層から見るCANの仕組み」
/mn/articles/0809/10/news140.html

答え合わせをしてみよう! 〜【演習2】採点〜

 あなたの得点は:点  
 ※ブラウザの種類によって得点が表示されない場合があります。

【演習2】:解答
問21.オーバーロードフレーム
問22.プライマリ・エラーフラグ
問23.ビットモニタリング
問24.アクナレッジチェック
問25.CRCチェック
問26.フォームチェック
問27.スタッフチェック
問28.中断されたデータフレームを再送信
問29.EOFの最初から送信される
問30.8
問31.アクティブ
問32.パッシブ
問33.増減なし
問34.送信待機
問35.V2.0A
問36.無視する
問37.正常に受信する
問38.125kbps
問39.1Mbps
問40.120Ω

【演習2】のポイント

 問21〜34については、連載第3回「CANを理解するうえで欠かせない“フレーム”の知識」からで、主にオーバーロードフレームとエラーフレーム(エラー時の動作含む)からの出題だ。そして、問35〜40は連載第4回「実装や試験で役立つ物理層から見るCANの仕組み」からの出題、つまり物理層に関する問題だ。

 ここでは、典型的な引っ掛け問題として出題した“パッシブとなった送信ノードがアクナレッジエラーを検出したときのエラーカウンタの値”について補足しておく(問33)

 通常はアクナレッジエラー検出により、送信エラーカウンタに「8」が加算されるが、パッシブ時には例外規定としてエラーカウンタに加算は行われない。よって、ここでの解答は「増減なし」となる。忘れてしまいがちなので、しっかりと覚えておこう。

 今回は総まとめとして、これまで本連載で解説してきた内容から演習問題を用意した。今回の出題範囲でCANのすべてを網羅しているわけではないが、少なくともこれらの内容を理解できていれば、CANの実装時に困ることはないだろう。途中であきらめずに過去の記事を参考にしながらぜひ最後まで取り組んでほしい。

 本連載の序章「ベンツ SクラスではじまるCAN普及の歴史」でも触れているが、自動車には「CAN」「LIN」「MOST」「FlexRay」など複数の車載ネットワークが搭載されており、今後もより複雑化が進むものと思われる。その中でも、車両制御系ネットワークの標準規格となっているCANの必要性は今後も続いていくであろう。

 最後に、本連載で解説したCANの基礎知識が、車載ネットワーク開発に携わる、もしくは今後携わる予定のあるエンジニアの方々の一助になれば幸いである。(連載完)

【 筆者紹介 】
ベクター・ジャパン株式会社 トレーニング部 チームリーダー
増田 浩史(ますだ ひろし)

ベクター・ジャパンのトレーニング部 講師としてCAN、LINといったさまざまな通信プロトコルや開発ツールを対象としたトレーニングサービスに従事。受講者のレベルに応じて最適なトレーニングを提供できるように日々業務に取り組んでいる。
ベクター・ジャパン
https://www.vector.com/jp/ja/
トレーニングサービスの概要
https://vector-academy.com/vj_training_jp.html,,6863.html

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