本部審査委員長 渡辺 博之氏からは関東地区大会3日間を通して次のような総評が述べられた。
「全体の傾向として、リピーターの進化、参加者の2極化ということが挙げられます。過去の蓄積を共有したことで全体的なレベルが上昇し、また、企業チームのリソースがすごく充実しているので、成果物全体の品質が上がっているなという印象です。これはロボコンが良い題材になってきている1つの証しかなと感じています」(渡辺氏)
今年から取り入れた総合審査方式については、各グループの結果グラフを基に、モデルの設計品質と性能の同期が取れてきていることを説明した。
「5年前くらいのETロボコンは分かりやすさを追求したUMLに偏っていて、モデルは良いけど走らせるとダメというチームが多かった。それがおととしくらいから、速さを追求した単純なモデルに変わってきました。そこで去年のワークショップの中でもうちょっとバランスを取りましょうよという話をしたところ、今年はモデルと走行のバランスが取れた傾向が見られました。今日(3日目)の結果を見ても、その印象はわれわれの想定以上です」(渡辺氏)
モデルの性能審査では実走行に結果を残せるかどうか、モデルから読み取れる予測の部分を評価し、具体的には以下3点の観点から審査しているという。
性能審査団によると、今年の傾向としては次のような手法が増えてきているという。
マーカー検知については、今年は灰色の検知が難しく、灰色だけの部分に加えて白と黒の間にある灰色を検知するアルゴリズムを別に考えなくてはならないので、そこをモデル図に描いてくるチームが多かったという。
難所の攻略法については、ツインループはどのチームもほとんど同じだったが、ショートカットについては光をあまり読み取らない工夫をしていたチーム、検知を5回行って信頼性を向上させていたチームなど複数のモデルが見られたという。
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