設計の軽薄短小化により、モバイル製品のような軽さを1g単位で追求する製品もたくさん存在します。またISO 14000に従い、環境評価として材料ごとの使用重量を評価しなければいけません。3次元モデルから体積が計算できるため、使用する材料の比重を入力すれば、正確に重量を計算することができます(図3)。
CAEとは、設計対象の機能・性能を計算工学シミュレーションによって検討することをいいます。3次元CADデータを利用して、あらゆる現象を、数値計算力学を用いてコンピュータで計算させ、その結果を検討して問題解決につなげる役割を果たします。パソコン上でシミュレーションすることにより、現物を作る前に机上で動作検証、強度検証を行うことができるため、試作回数を削減することができます。
CAEを使った解析は、次のように大別されます。
それでは次に、部品の強度解析を例に挙げて、解析のタイミングとCAE解析用のモデルについて説明しましょう。
設計が完了した部品のモデルを強度解析するに越したことはないのですが、手戻りを最小限に抑えるために、詳細設計の初期段階で解析を行うべきと考えます。しかし、解析モデルとして強度解析したい部分に影響を及ぼす部分の形状はモデリングがほぼ完了していなければ、精度の高い解析は期待できません。強度解析に影響のない部分は、逆にモデルをシンプル化しておくと解析時間が短縮できます(図4)。
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