今回紹介された新技術「自然歩容」は、歩行の際に軸足をつま先立ちにし、踏み出した足をカカトから設置するという“人間に近い歩行”をすることで結果的に大きく足を踏み出すことができ、歩幅をかせぐことで従来歩行型のQRIOに比べて約3倍速く歩くことができるという。
さらにQRIOが持つ「ネットワーク技術」「情報検索技術」「CE機器コントロール技術」の応用例も紹介。QRIOに音声で命令することで、テレビや照明のスイッチを入れたり、インターネットから番組表を取得してテレビに表示するとともに番組名などを読み上げて選択を促すといった「ホームネットワーク活用」のデモンストレーションも行われた。
各種デモンストレーションを見ているだけでも楽しいが、今回のイベントの目玉は、やはり「ふれあい体験ルーム」だ。
ダンスパフォーマンスなどでは、無線LANで外部から指示するとこで一糸乱れぬ踊りを披露しているわけだが、QRIOには無線操縦だけでなくAIBOのように自律的に行動ができる機能も装備されている。ふれあい体験ルームでは自律行動をするQRIOが登場し、実際のQRIO開発エンジニアが講師になってQRIOのコミュニケーション能力を分かりやすく説明してもらえるのだ。
そしてコミュニケーション能力の説明とデモンストレーションが終わると、いよいよお待ちかねのQRIOを実際に触ることができる「ふれあいプログラム」が始まる。
16人で定員となるセミナールームには4台のQRIOが用意され“4人に1台”というロボット好きにはたまらない環境でQRIOを間近に楽しめる。ちなみにマスコミが殺到していた初回の説明をパスした筆者は、参加者わずか4人という中でQRIOを丸々1台独占できた。
参加者はまず、頑丈そうなトランクからQRIOを取り出すところから始める。
重さ約7キロのQRIOは、電源が入っていないときに“抱っこ”するとダランと手足を伸ばして、ちょっと惨めな状態。担当者が「このスタイルはカレがかわいそうなので、あまり撮影しないで下さい」と“親心”を見せる一幕も。電源が入っている状態で“抱っこ”すると、小刻みに体を動かして抱き位置を調整する機能も装備されている。
実際に抱いてみようとして、生後間もない赤ちゃんを抱きかかえるような気持ちになっている自分にちょっと驚いた。心なしか、足のあたりがほんのり温かい。
筆者:「人肌も再現しているんですね」
担当者:「いや、それはモーターの熱ですから。残念」
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