「時速10キロなんて」と思われた読者は、次の動画ファイルをご覧頂きたい。強力なダッシュ力と、4つの車輪を独立制御することでマルチ方向へ瞬時に方向転換できる駆動システムによって、時速10キロという数値以上の俊敏さを確認してもらえるはずだ。走行デモンストレーションを行った発表会場では、集まった記者から「は、速いっ……」というどよめきが上がった。
また、セコムロボットXは巡回・監視だけでなく、緊急時は人間による遠隔操作によって現場に急行し、威嚇によって犯行を未然に防ぐという機能を装備している。
搭載された威嚇機能は、ヘッドライトによる光の威嚇、操縦者の声をダイレクトに伝える音声威嚇、そして白煙装置「フォギー」による煙を使った威嚇だ。
発表会では、フォギーを使った不審者への威嚇攻撃のデモンストレーションも行われた。
2002年に開発した現金護送用ロボットでは、不審者からの反撃に備えてスタンガンを使った電撃威嚇という攻撃的な機能も搭載されていたが、今回は“軽め”の威嚇にとどまっている。「現金を積んでいるというわけではないので、今回は俊敏さで不審者の攻撃をかわすだけにした」(同社)
さて気になる商品化の時期だが、同社によると2005年度(2005年4月〜)の早い時期での発売を目指しているという。高機能ゆえ「ロボット自体は非常に高額」(同社)になるため、売り切りではなくレンタル方式が中心になる予定で、レンタル料金は月額30万円前後になる見込み。
「人を雇って常駐させた場合、だいたい60万〜70万円ほどコストかかる巡回監視の仕事をこのロボット1台でまかなえる。今後は、人込みの中でも安全に走行できるセンシング技術や豪雨/積雪/氷結路での安定した走行技術の確立を進めていく予定。年間500台程度の販売を見込んでいる」(同社)
セコムロボットX(プロトタイプ)の主な仕様は以下の通り。
外形サイズ | 800(幅)×1060(奥行き)×980(高さ)ミリ |
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重さ | 約120キロ |
最高速度 | 時速約10キロ |
連続走行距離 | 約24キロ |
駆動装置 | 車輪駆動 |
走行方法 | 自動巡回(ガイドセンサーなど)、遠隔操作 |
搭載カメラ | 全方位カメラ(カラー/近赤外線切替式)、ハイ/ローアングル監視カメラ(カラー)、近赤外線監視カメラなど |
遠隔通話 | マイク、スピーカー |
威嚇機能 | 威嚇音声/威嚇ランプ/発煙装置 |
電源 | 内蔵バッテリー |
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