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オープンソースと量産の間にあるギャップ、自動車メーカー5社が協力して埋めるAutomotive Linux Summit 2018レポート(2/2 ページ)

車載インフォテインメントシステム(IVI)をレゴブロックのように組み合わせながら開発できたら――。Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)が開発者向けイベント「Automotive Linux Summit」を開催。3日目の基調講演では、マツダの後藤誠二氏が、自動車メーカー5社で共同開発している”IVIのためのオープンハードウェア”について紹介した。

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「レゴブロック」の実現には多くの参加企業が必要

 これらのレファレンスハードウェアで使用する製品についても具体的な検討が進んでいる。ファーストステップではメインボードはルネサス エレクトロニクスとIntel(インテル)で、拡張ボードはArmの「Kingfisher」(「Cortex-A7」の開発コードネーム)を使用する。評価ボードの設計開発を手掛けるシマフジ電機も開発に協力している。メインボードと拡張ボードの接続では、ルネサス エレクトロニクスのスターターキットとKingfisherを接続するインタフェースを再利用する。

 セカンドステップでは、ルネサス エレクトロニクスとインテル、Kingfisher以外のボードも自由に接続するための共通インタフェースが必要になる。「ファーストステップでは、メインボードと拡張ボードの接続インタフェースに特殊な仕様が与えられている。セカンドステップでは、SoC(System on Chip)のサプライヤー間の差を吸収できる共通のインタフェースを目指している」(スズキの原木氏)。

ファーストステップのレファレンスハードウェアでの各ボードの連携(左)。セカンドステップで目指すハードウェアの形(右)(クリックして拡大) 出典:AGL

 スバルの角田氏は「具体的な開発はSoCのサプライヤーと進めていく。興味があればぜひ参加していただきたい」と説明。原木氏は「セカンドステップではできるだけ多くの拡張ボードを開発したいと考えている。IVIの装備の違いに合わせて最適な拡張ボードを選べるようにするためだ」と述べた。今後は、ハードウェアの準備に合わせてサポート体制やメンテナンス方法などを検討していくことが課題になるという。また、FPGAやDSPに対応したソフトウェアも準備していく考えだ。

 後藤氏は「自分の『ロードスター』に、このレファレンスハードウェアを載せる日を楽しみにしている」とスピーチを締めくくった。


AGLのレファレンスハードシステムアーキテクチャエキスパートグループのメンバーが集合して基調講演を終えた(クリックして拡大)

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