MISUMI floowはなぜ、導入数が大きく増えているのだろうか。間接業務が抱える課題について、大内氏は「間接業務の時間は基本的には測らない工場が多く、片手間で仕事をしていたりするため、その時間を正確に把握していることはなかなかないと思う。ゆえに、自動化や改善が進みづらい領域であると思っている」と語る。
続けて、「顧客から声をいただくことが多いメンタルコストを削減できるという面については、実はサービス開始時はそこまで思いが至っていなかった。この効果を狙っていたわけではないが、実際に導入を進めることで、メンタルコスト解消に関する評価をいただくことが増えた」と語る。
また、顧客の要望に耳を傾けることで、導入企業の現場に合ったMISUMI floowの面白い活用方法も生まれている。例えば、ミスミは自販機内に現在どれくらい在庫があるのかといった情報をクラウド上のダッシュボードで確認できる機能を提供している。画面に表示する情報は顧客に応じてカスタマイズして提供可能だ。
大内氏は「ある事例では、ダッシュボードで特定の間接材の個数が短期間で減っており、実際に現場に状況を確認したら、経験の浅い作業者が新しいワークの試作に取り組んでおり、ドリルをたくさん折っていることが判明した。これを踏まえて、管理者が経験のある作業者をそこに配置させることができた」と語る。このように、現場の変化を間接材で捉えるという運用にも活用可能だ。
さらに、自販機のタッチパネルをサイネージ代わりに利用し、現場内の表彰結果をタッチパネルに表示して、自販機前に訪れた作業者の目にとまるようにするなど、顧客と相談をしながら、自販機の新たな活用が生まれているという。
ミスミは今後、間接材の在庫管理ニーズへの対応拡大を考えている。例えば、顧客からは量産工場の命題である安定稼働にもつながる「切削工具を管理したい」というニーズが高まっており、このような背景も含めて小さい製品を管理しやすいドロワータイプを追加している。
これらのことを踏まえて、ミスミは間接材管理の非効率な状態をデジタルで把握し、時間価値サービスの拡大を検討している。大内氏は「工場の中でも、購買や調達に関わる人、倉庫/在庫管理に関わる人、量産工場では保全や設備メンテナンスに関わる人がそれぞれおり、これらの人たちに適合したサービスを顧客接点として設置することで、サービスの拡大を図る。これにより、購買実績データや入出庫データ、保全履歴データなどをわれわれが把握可能になる」と強調する。
収集した現場のデータをベースとして、これらに基づくサービスを進化させていき、顧客に対してより利便性の高いDXソリューションの提供を進める方針だ。
従業者10数人規模の町工場が“間接材自動販売機”を導入 その効果とは?
工場に“自動販売機”で間接材を提供するサービス、1年で300工場に導入し機種拡充
工場で“置き薬”方式で間接材提供、年間1650時間削減するミスミの新サービス
部品供給力でスマート農業の自動化に貢献すべく、資本業務提携契約を締結
AIデータセンター向け製造装置の自動ステージを増産、中国とベトナムに20億円投資
筐体設計時間を最大90%短縮、ベトナムでサービス提供開始Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造マネジメントの記事ランキング
コーナーリンク