住友化学は、スマートフォンや自動車部品で使用されるスーパーエンプラ液晶ポリマー(LCP)について、バイオマス原料を一部使用し実機生産に成功した。
住友化学は2026年10月6日、バイオマス原料由来モノマーを一部使用し液晶ポリマー(バイオ由来LCP)の実機生産に成功したと発表した。
同社は、LCPのグローバルサプライヤーとして、バイオマニュファクチャリング技術に基づくバイオ由来LCPの量産体制を整備しており、実機生産で得られたサンプルの顧客への提供を開始する。
LCPは、耐熱性と難燃性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックの一種だ。その流動性を生かしてスマートフォンなどの電子機器、自動車、OA機器など幅広い分野で使用されている。従来、その原料の多くは化石資源に由来してきたが、持続可能な社会の実現に向けて、バイオマス原料への転換やカーボンフットプリントの削減が期待されている。
同社は、顧客におけるこうしたニーズの高まりを受け、バイオ由来LCPの開発を進め、2025年6月には量産技術を確立した。その後、同技術のスケールアップに向けた検討を進め、このたび、実機による生産で、バイオマス原料由来モノマーを一部使用し、従来の化石資源を用いたものと同等のLCPが生産できることを確かめた。
今回、バイオ由来LCP製造において住友化学が使用する製造プロセスは、バイオマス原料とそれ以外を完全に分離して管理し、製品中のバイオマス原料含有量が明確な「セグリゲーション」方式を採用している。なお、バイオマス原料とそれ以外を混合し、投入したバイオマス原料の量に応じて製品の一部にその特性を割り当てる「マスバランス」方式もあるが、同社は各方式の特徴を踏まえ、顧客のニーズに対応した方式の採用を検討する。
同社は、長期的に目指す姿として、イノベーティブな技術で社会課題を解決する企業を掲げており、バイオモノづくりにおいては、化学技術とバイオ技術のハイブリッド化に取り組んでいる。
食糧/農業分野向けのバイオテクノロジー「グリーンバイオ」の領域では、化学農薬とバイオラショナルを両輪として、リジェネラティブな社会の実現を目指している。バイオラショナルとは、天然物由来などの微生物農薬、植物成長調整剤および根圏微生物資材、ならびにそれらを用いて作物を病害虫から保護、あるいは作物の品質や収量を向上させるソリューションを指す。
また、医療分野向けのバイオテクノロジー「レッドバイオ」の領域では、医薬品開発と細胞培養技術を基盤に、顧客向けの製法開発や製造などの受託(CDMO)事業、再生/細胞医療を通じて、人々の健康と豊かな暮らしに貢献している。さらに、工業/エネルギー分野向けのバイオテクノロジー「ホワイトバイオ」と環境分野向けのバイオテクノロジー「グレーバイオ」の領域では、有機合成技術とオミックス技術(生体内の分子を網羅的、包括的に計測、解析する技術の総称)を活用し、バイオマス由来の資源を生かした持続可能なモノづくりを進めている。
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