今回の調査では844件の品質不適切行為と6件の産地表示不適切行為が確認されている。このうち品質不適切行為については、60件の重要品質事案と784件の一般品質事案に分けられる。品質不適切行為を行為別で分類すると、4M変更違反が805件となり全体の95.4%を占めていることが判明した。
ニデック 取締役執行役員 最高サプライチェーン責任者の三宅武志氏は「全体の9割を占める4M変更違反に関しては、顧客との重要な取り決めである4M変更のルールが組織内で軽視あるいは形骸化していたことが今回の事態を引き起こした大きな要因であると認識している。重要品質事案の代表例として挙げられた案件に共通する背景としては、顧客との合意や規律、認証基準との不一致、あるいは工程能力の問題が組織的に解決されず、不適切な運用によって処理されていたことが調査において指摘されている。このことを当社として大変重く受け止めている」と語る。
ニデックは今回の調査結果を踏まえ、全社共通の課題として4M変更ルールの再構築と徹底を図り、各BUの現場構造や事業特性に基づいて制度やプロセスに踏み込んだ、具体的かつ抜本的な再発防止策の構築を進める方針だ。
制度の面では、短期アクションとして品質保証部門の独立性を確保し、問題が発生した場合は現場を止めることができる絶対的な権限を付与する。併せて、ニデック本社のグローバル品質統括本部による品質監査やモニタリングを実施する。中長期の施策として、組織/権限の見直しを進め、事業側との責任分担や意思決定権限を明確化し、品質保証部員の拡充/強化や品質ガバナンス確立を目指す。
プロセスの面では、短期アクションとして顧客との約束を守る品質ガバナンス強化に向けたグローバル品質保証規定の見直しを進め、品質に関する問題が発生した際のエスカレーションルール/レポートラインの再構築に取り組む。中長期の施策としては、組織横断で開発/設計から納品まで一気通貫で品質を管理できる仕組みの構築や、品質データを連携/可視化させてトレーサビリティーの強化を進める方針だ。
ニデックはこれらの施策に加え、全社的な風土改革も併せて進める。目指すカルチャーとしては、「正しい行動が評価される」「品質・コンプライアンスを絶対的な前提に」「全員が当事者」「Speak Up/Bad News First」の4つを挙げている。
具体的な取り組みとしては、事案に対する厳正な処分を進め、あらゆる層で継続的なメッセージ発信とコミュニケーションに取り組む。併せて、人事評価制度の見直しや懲戒処分ルールの再構築と徹底、経営層と現場の対話(ワークショップやタウンホール)の継続、品質の観点を織り込んだコンプライアンス研修、意見箱の設置/運用強化、品質会議の再構築/活性化なども進める。
岸田氏は「5本柱を軸とした事業の再編に着手している。事業ポートフォリオの見直しも不可欠との認識で一部取り組みを開始しており、事業を横串で刺す横機能や工場そのものをコストセンター化するという新たな取り組みに着手する。また、品質などガバナンスに関する人的資本への投資や、既に取り組みを進めている全社IT基盤構築の面で、今後このような品質不正の起こらない最新の仕組みづくりを進める。『正しい経営』を持続的成長と企業価値向上の基盤として経営の仕組みの再構築を行う」と述べた。
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