グループに加わったAPTは、1984年創業の前身企業から培ったノウハウを持ち、WESやWCSの構築、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)などのマテハン機器の調達、設備のメンテナンスなどを事業領域としている。
APT 代表取締役社長の井上良太氏は「当社はパッケージツールではなく、導入企業に合わせてWESやWCSを1から構築するノウハウを持っている。しかし、当社だけではあくまで『倉庫の中のみ』の効率化にとどまっており、サプライチェーン全体の改善が必要であるという思いが両備システムズと合致した」と語る。
両備システムズが展開する調達や生産、在庫管理を担う基幹システムやWMSに対し、APTのWESやWCSをシームレスに組み込むことで、情報の管理から現場の自動化設備の制御までをトータルで提供する。さらに、両備グループが持つ輸配送事業や倉庫建設、設備製作、保守などのリソースを掛け合わせる。単なるシステム導入の枠を超え、物流改善からSCM全体の最適化までを一気通貫で支援するオファリング型のビジネスへと進化する方針だ。
現在、両社のシステム間で互換性を持たせるための開発を進めており、基幹システムから現場の制御システムまで、情報連携を可能にする方針としている。
両備システムズは、現在策定中の次期中期経営計画(2027〜2030年度)において、これらSCM事業の売上高を2030年度に100億円規模へ拡大する目標を掲げる。橋本氏によると、従来は製品ごとに売り上げを管理していたため現在のSCM事業単体での規模の算出は難しいものの、今後は統合的なソリューションとして成長を加速させるという。これに伴い、新たにグループ化したAPT単体の売上高についても、2026年7月期実績の30億円から、2030年7月期には68億円へと引き上げる計画だ。
今後は、両備システムズの既存顧客へのアプローチに加え、製造業での導入実績に強みを持つAPTのネットワークを生かし、新規顧客の開拓も進める。両備システムズは、こうしたSCM事業をはじめとするビジネス拡大を通じて、2030年に連結売上高500億円、さらに次期長期ビジョンを描く2040年には1000億円を目指す方針だ。
小野田氏は、「AI(人工知能)技術が急速に進歩していく中で、われわれも常にその先を見据え、お客さまに付加価値を提供できるICT企業として伴走していく」と語り、技術革新の波を捉えながら企業の発展を支援し続ける姿勢を示した。
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