ティアフォーが自社の競争優位性とするのが、同社が開発を主導する自動運転向けオープンソースソフトウェアのAutowareを事業の基盤としていることだ。Autowareはオープンソースであるため誰でも無償で利用できる。例えば、公道ではない私有地などで車両にAutowareを組み込んで自動運転を試すことも可能だ。このため、Autowareの開発に参加するコードコントリビューター数も年々増加しており、現在はティアフォー関連のエンジニアよりも外部のエンジニアの方が多くなっている。
ただし、Autowareを用いて商用展開が可能な自動運転システムを開発するには一定のノウハウが必要になる。ティアフォーは、Autowareをベースに社会実装や車両の量産に必要なノウハウを組み込んだTIER IVプラットフォームを開発し、3つの事業向けに展開している。加藤氏は「自動運転システムをゼロから開発する場合、Autowareの部分から開発をしなければならないが、当社はAutowareとTIER IVプラットフォームを活用することで、顧客ごとの要件に合わせた自動運転システムを短期間で開発できるラストワンマイルに強みがある」と強調する。
グローバルにおける自動運転車の開発動向で最も進んでいるのがロボタクシーだ。これに対してティアフォーは、ロボタクシーや自動運転バスだけでなく、特殊用途車両向けにも自動運転システムを展開している実績が強みになるとする。
実際にデベロップメントサービス事業の顧客であるヤマハ発動機とは、ジョイントベンチャーであるeve autonomyが工場敷地の屋外で用いる無人搬送車の事業を軌道に乗せており、既に100台近くが稼働している。また、コマツと超大型ダンプトラック向け、トヨタ自動車、いすゞ自動車とバス/シャトル向け、スズキとタクシー向けといった形で、幅広い車種で自動運転システムの開発が進んでいる。
モビリティサービス事業でも、国内をはじめとする自動運転バス/シャトルの実証実験での採用が広がっている。足元の2026年9月期は、全国50地域で自動運転レベル4の実装に向けた本格的な準備を進めているところだ。
今後のティアフォーの事業の追い風となるのが、2026年1月に政府が第3次交通政策基本計画で打ち出した、2030年度までに自動運転サービス車両を国内で1万台にまで増やすという方針である。加藤氏は「この1万台という数字にどこまで大きく貢献できるかが重要だ」と意気込む。
中長期の方向性としては、まず日本国内における事業を確立した後、子会社のある米国やモビリティサービス事業で実績のある英国、オーストラリアなどを起点にグローバル展開を広げる。その後、宇宙における自動運転など周辺領域への事業拡大を図りつつ、ソフトウェアであるAutoware以外に、車載半導体の設計などソフトウェア以外のオープン化を推進することで事業拡大につなげていきたい考えだ。
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