政府は、AX(AIトランスフォーメーション)の鍵となるフィジカルAIのエコシステムを4つの開発プロセスに分けて捉えている。1つ目の「現場データをAIで利用するための手法開発」と2つ目の「『各現場』におけるデータ収集/モデル開発」については、2024年2月から取り組みを始めた「GENIAC」によって対応している。
3つ目の「『多様な現場』で活用できるロボット基盤モデルの開発」については、2024年12月から活動を開始したAIRoA(AIロボット協会)が取り組みを進めている。そして、4つ目の「マルチモーダル基盤モデルの開発」に対応するのがFRONTiaである。FRONTiaは2つ目や3つ目の開発プロセスに用いられるとともに、データを循環することでそれぞれのモデルが進化していくことも期待している。
FRONTiaでは、NoetraがAI開発企業やユ−ザー企業といった出資企業から開発人材やユーザーニーズを集めて、さまざまな分野のフィジカルAIの開発を下支えするAI基盤モデルを開発する。産総研は国内外のトップクラスの研究機関と共同で、AI基盤モデルに必要となる最先端技術の研究を行う。基盤モデル開発と先端的研究開発を併走する体制となっている。経済産業省 商務情報政策局長の野原諭氏は「経済産業省とNEDOが設置するガバニングボードヤステージゲート審査委員会の下で、四半期ごとに国内外の有識者による進捗確認を行う。国際的な技術動向や市場ニーズを踏まえて、必要に応じ方向性を機動的に見直す仕組みとしている」と説明する。
FRONTiaにおけるマルチモーダル基盤モデルの開発では、日本が強みとするさまざまな現場のデータの活用が鍵になる。製造業などの現場データをAI-Ready化する手法の開発や、製造業などのデータセットの構築、触覚データなどを用いたエッジAIの開発といったテーマごとにさまざまな企業と連携関係を構築する。今後もさらに連携を拡大する方針だ。
海外連携もFRONTiaの開発では重要な要素となる。現在、カナダ、フランス、ドイツ、英国、米国の7つの研究機関との連携体制を構築している。今後はインドやシンガポール、スイスをはじめ連携を拡大する方針である。
FRONTiaの開発は、政府が進めるAIロボットの社会実装に向けた政策の根幹を成すものだ。2040年に、製造や物流、建設、介護、災害対応などの18の分野で1000万台のAIロボットを導入する目標を掲げているが「マルチモーダル基盤モデルであるFRONTiaに加え、重要部品の供給力を強化し、AIロボットの量産体制の構築を支援する。さらに、実証や安全性評価、人材育成を担うAIロボティクスの産官学の中核拠点を構築し、需要側のAIロボットの導入も支援していく」(野原氏)としている。
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