富士通がNVIDIA「Rubin」対応の国産AIサーバを今秋製造へ ソブリン需要に対応製造ITニュース(1/2 ページ)

富士通は、ソブリンAIの需要に応える国産ハイエンドAIサーバやオンプレミス向け生成AI基盤を公開した。国内工場での一貫生産が特徴だ。2026年秋にはNVIDIAの最新GPU「Rubin」対応の新モデルの製造開始であると明かした。

» 2026年07月15日 06時15分 公開
[安藤照乃MONOist]

 富士通は2026年7月14日、データやAI(人工知能)時代の企業変革をテーマとした同社のイベント「Fujitsu Experience Day 2026」(一般公開:7月15〜16日、TAKANAWA GATEWAY Convention Center)のメディア見学会を開催した。会場ではセミナーに加えて、テクノロジーや経営基盤、生活体験の変革などに分類された44の展示を披露する。国内で一貫製造するAIサーバや、2026年秋に製造開始を予定している新モデルなどについて紹介した。

注目集まる「ソブリンAI」、富士通は国内での一貫生産が強み

 近年、企業のITインフラにおいて、自国の法規制や安全基準に従ってデータや技術を管理する「ソブリン(主権)」の考え方が広まっている。従来は多くの領域でパブリッククラウドの利用が進んできたが、機密データを扱う製造業や社会インフラ企業、官公庁などが生成AIを導入する際は、データの物理的な所在や情報漏えいへの懸念が課題となっていた。日本国内においても、基板の組み立てから技術の管理までを国内で一貫して行う、国産のソブリンAIインフラの構築が求められている。

ITインフラにおけるソブリンの重要性 ITインフラにおけるソブリンの重要性[クリックで拡大] 出所:富士通

 こうした背景の中、富士通がソブリンAIの需要に応える中核製品として2026年3月に提供を開始したのが、国産ハイエンドAIサーバが「PRIMERGY GX2550 M8s」だ。4Uのラックインテルの最新CPU「Performanceコア(Pコア)搭載 Intel Xeon 6 プロセッサ 6900シリーズ」を2基実装し、最大128コアの演算性能と最大6TBの大容量メモリを持つ。

国産ハイエンドAIサーバの「PRIMERGY GX2550 M8s」 国産ハイエンドAIサーバの「PRIMERGY GX2550 M8s」[クリックで拡大]
PRIMERGY GX2550 M8sの特徴 PRIMERGY GX2550 M8sの特徴[クリックで拡大] 出所:富士通

 アクセラレータは3種類のGPUから選択可能で、NVIDIAの「Blackwell」世代GPUである「NVIDIA HGX B300」や「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」などのハイエンドGPUを最大8基まで搭載できる。LLM(大規模言語モデル)の学習や推論をはじめとするディープラーニング、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、診断画像処理、仮想デスクトップインフラ(VDI)などの活用シーンを想定する。

 製造は、同社のスーパーコンピュータ「富岳」や各種高信頼サーバの製造で培った技術有する富士通グループの笠島工場(石川県かほく市)で行っている。プリント基板の組み立てから装置の組み立て、ファームウェアの焼き込みまでを国内で一貫生産している。富士通の説明員は、「部品調達から製造工程における、悪意ある第三者によるバックドアの仕込みやファームウェア改ざんを防ぎ、製造の透明性が担保する仕組みになっている」と説明した。

メイドインジャパン製品として国内拠点で製造 メイドインジャパン製品として国内拠点で製造[クリックで拡大] 出所:富士通
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