DPS操作卓の近くには、ECDISや気象海象情報の表示盤も配置している。ECDISは電子海図情報表示装置で、操舵室にはJRC製ECDIS(JAN-9201/7201系)を2台配置する。DPSとECDISに挟まれたディスプレイでは、風向、風速、気圧、時系列情報を確認できる。
前面コンソールには、丸形のアナログ計器も多く残る。現代の操舵室では大型フラットパネル表示が主流となる一方で、重要な航海情報をアナログ計器でも確認できるようにしている。ディスプレイ表示は多機能で情報密度は高いが、計器は一目で状態を把握できる利点もある。
操舵室の後部には第1研究室が配置されている。通常は気象海象と音響調査の分析を行う区画だが、一般公開では船上LANやROVに関する展示も用意されていた。
研究船のデジタル化は、操舵室の機器更新だけでは完結しない。観測機器から得た映像、音響データ、位置情報、環境データを船内で共有し、確認し、次の観測判断につなげる必要がある。機器ラックや複数画面の監視卓は、その裏側にあるデータ処理と情報共有インフラとして重要な役割を果たす。
かいめいは3000m級ROV「KM-ROV」を装備し、海底映像観察や、生物/鉱物資源などのサンプル採取に用いている。第1研究室のモニターには、映像、海底地形、航跡、計測値情報が分割表示されていた。
この区画は操舵室と連続しているので、観測機器の海中投入と揚収において、船の挙動と観測機器の挙動の連携が容易といえる。操舵室では船を動かし、船位と姿勢を保つ一方で、作業甲板ではROVや採取装置を海中へ下ろす。その間で、船内ネットワークと表示装置を介して観測データと作業状況を船内で共有することが可能になっている。
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