レアアース泥調査でも活躍、JAMSTEC海底広域研究船「かいめい」をガッツリ見るイマドキのフナデジ!(16)(2/3 ページ)

» 2026年07月07日 08時00分 公開
[長浜和也MONOist]

DPS操作卓の近くにECDISを2台配置

 DPS操作卓の近くには、ECDISや気象海象情報の表示盤も配置している。ECDISは電子海図情報表示装置で、操舵室にはJRC製ECDIS(JAN-9201/7201系)を2台配置する。DPSとECDISに挟まれたディスプレイでは、風向、風速、気圧、時系列情報を確認できる。

操船コンソール右舷側の表示部 操船コンソール右舷側の表示部。DPS画面、気象観測データ表示、ECDISが近接して配置され、船位保持、環境把握、航海情報を同時に確認できる構成となっている[クリックで拡大]
気象観測データ表示には風向、風速、気圧などの数値と時系列グラフが表示される 気象観測データ表示には風向、風速、気圧などの数値と時系列グラフが表示される。船位保持や観測機器の投入と揚収には、これらの確認が欠かせない[クリックで拡大]
JRC製レーダー表示器を中心とした航海計器群 JRC製レーダー表示器を中心とした航海計器群。2面のレーダー表示器とスラスター操作卓が並び、航海中の見張りを担う[クリックで拡大]
操舵室内のアジマスハンドル 操舵室内のアジマスハンドル。左右2つのハンドルで左舷右舷それぞれに搭載するアジマス推進器の推力方向と出力を制御する[クリックで拡大]
船首スラスター制御卓 船首スラスター制御卓。画面左に昇降旋回式バウスラスター、右にトンネル式バウスラスターの操作部が並ぶ。船首側の推力制御で船首方位を調整する[クリックで拡大]
操舵室内のエンジンテレグラフ 操舵室内のエンジンテレグラフ。左右主機への速力指令を機関側へ伝える操船機器で、DPSやアジマスハンドルと並び、通常航海から低速操船までの船体挙動を制御する[クリックで拡大]

 前面コンソールには、丸形のアナログ計器も多く残る。現代の操舵室では大型フラットパネル表示が主流となる一方で、重要な航海情報をアナログ計器でも確認できるようにしている。ディスプレイ表示は多機能で情報密度は高いが、計器は一目で状態を把握できる利点もある。

操舵室の当直立ち位置から船首甲板を望む 操舵室の当直立ち位置から船首甲板を望む。窓上にアナログ計器が並び、窓下には羅針盤やマルチファンクションディスプレイなどを配置する[クリックで拡大]
操舵室内の海図台 操舵室内の海図台。紙海図を広げた作業面の上に海図押さえや記録機器が置かれ、上部には無線機器や資料棚も見える。デジタル装備と紙資料が併存する[クリックで拡大]

船上LANとROV表示が示す、船内情報基盤

 操舵室の後部には第1研究室が配置されている。通常は気象海象と音響調査の分析を行う区画だが、一般公開では船上LANやROVに関する展示も用意されていた。

操舵室後方につながる第1研究室 操舵室後方につながる第1研究室では、船上LANや観測データ処理に関わる端末と表示器が展示されていた。研究船では、観測機器から得た情報を船内で共有し、確認するインフラが重要になる[クリックで拡大]

 研究船のデジタル化は、操舵室の機器更新だけでは完結しない。観測機器から得た映像、音響データ、位置情報、環境データを船内で共有し、確認し、次の観測判断につなげる必要がある。機器ラックや複数画面の監視卓は、その裏側にあるデータ処理と情報共有インフラとして重要な役割を果たす。

 かいめいは3000m級ROV「KM-ROV」を装備し、海底映像観察や、生物/鉱物資源などのサンプル採取に用いている。第1研究室のモニターには、映像、海底地形、航跡、計測値情報が分割表示されていた。

 この区画は操舵室と連続しているので、観測機器の海中投入と揚収において、船の挙動と観測機器の挙動の連携が容易といえる。操舵室では船を動かし、船位と姿勢を保つ一方で、作業甲板ではROVや採取装置を海中へ下ろす。その間で、船内ネットワークと表示装置を介して観測データと作業状況を船内で共有することが可能になっている。

複数のモニターを並べた表示卓 複数のモニターを並べた表示卓。画面には映像、海底地形、航跡、計測値の情報を表示して、ROVや観測機器運用時の多画面監視環境を紹介していた[クリックで拡大]

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