要素設計とは何か 機械を成立させる部品の知識若手エンジニアのための機械設計入門(18)(2/3 ページ)

» 2026年07月06日 07時00分 公開

(2)軸受要素

 「軸受要素」とは、回転する軸を支えるための機械要素です。代表例としてベアリングが挙げられます。

 例えば、モーターのシャフトをそのまま支持すると摩擦が大きくなり、スムーズに回転できません。そこでベアリングを使用し、摩擦を低減して安定した回転を実現します。

 ベアリングは、モーターの軸や搬送ローラー、工作機械の主軸など、多くの機械で使われています。設計現場での使用頻度も非常に高い機械要素です。

 ただし、表1で示したように、ベアリングにはさまざまな種類があります。要素設計の初心者は、ベアリングの種類を覚える前に、「なぜそのベアリングを選ぶのか」を理解することが重要です。

 機械によって、

  • 回転数
  • 荷重
  • 精度
  • 寿命
  • 設置スペース

が異なるため、それぞれに適したベアリングを選ぶ必要があります。

ベアリング選定で最初に確認すること

 初心者はまず、次の4つを確認します。

1.荷重の方向

 荷重の方向は、ベアリング選定で最も重要な確認項目です。軸にかかる荷重は、大きく次の2つに分けられます。

  • ラジアル荷重(軸に対して直角方向)
  • スラスト荷重(軸方向)

 例えば、コンベヤーのローラーではラジアル荷重が主体です。一方、ボールねじ支持部ではスラスト荷重も大きくなります。

2.回転数

 高速回転では、発熱や振動が問題になります。例えば、用途によって回転数の目安は異なります。

  • モーター:数千rpm
  • 工作機械の主軸:数万rpm

 このように、回転数が変わると、ベアリングに求められる性能も異なります。

3.必要な精度

 位置決め精度回転精度が必要かどうかを確認します。例えば、用途によって求められる精度は異なります。

  • コンベヤー:一般的な精度
  • 工作機械:高い精度

 このように、用途に応じて必要な精度を見極めることが重要です。

4.寿命

 どのくらいの時間使用するのかを確認します。ベアリングには、定格寿命という考え方があります。

 例えば、用途によって求められる寿命は異なります。

  • 試験装置
  • 生産設備

 このように、使用時間や使用条件に応じて、適切なベアリングを選ぶ必要があります。

 まずは表2に示した4種類を理解するだけでも、多くの機械で使われるベアリング選定の考え方が見えてきます。

やりたいこと ベアリング
一般的に軸を回したい 深溝玉軸受
高精度に回したい アンギュラ玉軸受
重い荷重を支えたい 円すいころ軸受
省スペースにしたい ニードル軸受
表2 ベアリングの大まかな選定

 要素設計では、「どのベアリングが優れているか」ではなく、「どの用途にどのベアリングが適しているか」を考えることが重要です。

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