DMG森精機が欧州市場の深耕を図っている。同社の欧州最大の開発/生産拠点であるフロンテン工場を着々と増強しており、2027年には欧州統括会社の新たな本社がドイツのミュンヘンで稼働する。本稿では、前編としてフロンテン工場におけるモノづくりを中心に言及する。
DMG森精機が欧州市場の深耕を図っている。同社の欧州最大の開発/生産拠点であるフロンテン工場を着々と増強しており、2027年には欧州統括会社の新たな本社がドイツのミュンヘンで稼働する。DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏は「市場における強さを維持するための取り組みだ」と話す。
本稿では、前編としてフロンテン工場におけるモノづくりを中心に言及する。後編では人材育成の取り組みなどに迫る。
南ドイツの最大都市ミュンヘンの北西にあるモーザッハ地区で、オフィスや商業施設が一体となった大規模な複合施設の開発が進んでいる。4つの建物で構成され、総延べ床面積は3万8400m2に及ぶプロジェクトだ。付近には有名店など100店舗以上が軒を連ねる大規模ショッピングモールもある。
この4つの建物のうちの1棟、6階建て延べ床面積1万m2の建物にDMG森精機の欧州本社とテクノロジーセンターが入居する。1階に置かれるテクノロジーセンターは約1500m2の広さがあり、最先端の工作機械が20台、さらに10の自動化ソリューションやデジタル技術が展示される予定だ。また、施設内の通りに面した側には、8mの高さのガラス窓がはめられ、工作機械が行き交う人々の目に触れるようになっている。
テクノロジーセンターの地下には施設の駐車場が置かれる。自動車の振動が工作機械に伝わるのを防ぐため、テクノロジーセンターの床下には36cmの厚さのコンクリートが2層にわたって敷かれ、さらにその間にファイバーゴムを挿入している。
テクノロジーセンターの他には、オフィスや会議室、セミナールームや食堂などが設けられる予定となっている。ミュンヘンにはシーメンスやBMWも本社を置き、DMG森精機の欧州各地の工場へのアクセスも良い。欧州の中心地に位置するビジネス拠点から、「ミュンヘンにおけるプレゼンスを一層強化する」(同社)としている。
新たにDMG森精機の欧州事業をけん引することになるミュンヘンに対して、同社の欧州におけるモノづくりを引っ張っているのがフロンテン工場だ。ミュンヘンの市街地から南西へ自動車で約2時間。オーストリアとの国境も近い風光明媚(めいび)な山あいの地に、DMG森精機のフロンテン工場はある。
森精機は2009年にDMG(ギルデマイスター、いずれも当時)と資本提携し、2016年に完全に経営統合するに至った。
DMG自体も、それぞれ別々の工作機械メーカーが一体になって出来上がった。冷戦終結やソ連崩壊など激変する世界情勢の中で、1993年にDeckel(デッケル)とMaho(マホ)が合併してDeckel Mahoとなり、それを1994年にGildemeister(ギルデマイスター)がグループ化してDMGとなった。そのMahoの創業の地であり生産拠点だったのが、フロンテン工場となる。
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