“見えない基盤”に宿る精度、牧野フライスのモノづくり哲学メイドインジャパンの現場力(2/2 ページ)

» 2026年05月27日 07時30分 公開
[長沢正博MONOist]
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柱と柱の間隔は25m、大型機のリードタイム半減

 富士吉田工場で生産するのは大型機だ。

 直近では、航空宇宙や防衛関連、さらに生成AI(人工知能)の普及に伴うデータセンター向けのエネルギー関連で大型のマシニングセンタや5軸加工機の需要が拡大している。そのため、厚木工場や富士勝山工場で生産している101機種のうち、横形マシニングセンタ「ANXシリーズ」や5軸制御横形マシニングセンタ「Tシリーズ」「MAGシリーズ」など大型機21機種の生産を富士吉田工場に移管する。これにより、大型機のリードタイムを従来より半減させる。

 厚木工場では立形マシニングセンタや形彫り放電加工機、ワイヤ放電加工機、レーザー加工機を、富士勝山工場では横形マシニングセンタを主に生産する。

大型機のリードタイムを半減させる 大型機のリードタイムを半減させる[クリックで拡大]

 組み立てに当たって、富士吉田工場では、これまで中小型機で行っていたモジュール生産方式を大型機にも本格展開する。モジュール生産方式では、従来はバラバラに組み付けていた部品を複数の機能を持ったユニットとしてまとめ、各ユニットを並行して組み立てる。

 作業工程を細かく分解、単純化し、作業マニュアルや品質チェックシートを整備することで、習熟度にかかわらず品質を確保し、後工程での調整や手直しを減らすことができる。

 本体組み立て工場は、柱と柱の間隔が25mあり、大型機を組み立てている横のスペースでもユニットの組み立てができる他、出荷の際に組み立て中の他の機械が干渉しないようになった。

 出荷用の天井クレーンと組み立て作業に使うウォールクレーンの2種類のクレーンを採用しており、クレーン待ちによるタイムロスを防ぎ、組み立て作業と出荷作業が同時にできるようになっている。また、これらのクレーンにはウレタン車輪を用いており、振動や発じんを抑制している。

 ユニット化されたものを本体組み立て工場に搬入するための開口部を複数設けてあり、3つの原理原則に基づいて最短距離で運搬できるようにしている。30t(トン)まで積載できる自走式トロッコも導入している。

本体組み立て工場には2種類のクレーンを設置 本体組み立て工場には2種類のクレーンを設置[クリックで拡大]

 富士吉田工場では、広くなった組み立てスペースを活用して、ユニットのさらなる大型化、一体化にも取り組む。それを組み立て時だけでなく、出荷時に分解する際にも適用することで、さらなるリードタイムの短縮も図るとしている。

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