規制対応の関連では「変化する規制対応に対する自信」という設問に対して、「非常に自信がある」と「やや自信がある」を合計した回答の割合が95%に達したのに対して、日本は78%と最も低かった。QNX Japan プリンシパルフィールドアプリケーションエンジニアの木内志朗氏は「自信をあまり前面に出さない日本特有の傾向を考慮すれば十分に高い水準にある」と述べる。
ただし、「組織として標準化されたプロセスが実装されている」と回答した割合は、世界平均で54%、日本でも46%と、それぞれが持つ自信と比べて大きなギャップが存在している。このように、技術理解と実装プロセスの間に存在する構造的な差は、ロボティクス開発における重要な課題になっていると言えそうだ。
フィジカルAIの重要性に関する設問については世界平均が89%、日本が91%となっており世界全体で重要性が認識されている。その一方で、「セーフティークリティカルな状況におけるフィジカルAIの意思決定への信頼」に関する設問では、「とても信頼する」の世界平均が29%であるのに対して、日本は16%にとどまった。そして、「あまり信頼できない」「全く信頼できない」の合計は世界平均の11%に対して、日本は28%と逆転した。
このフィジカルAIに対する日本の慎重姿勢は「ロボティクス進展への楽観度」の設問への回答にも反映されている。楽観視する割合が世界平均は81%だったが、日本は56%にとどまった。
サッチン氏は「日本のエンジニアリング文化は保守的で段階的なところに特徴がある。AIが大事なことは分かっているが、そのためには安全性とセキュリティが必要であり、今回の調査ではその優先度がはっきりと出た。AIへの姿勢以上に、今後の課題となるかもしれないのが拡張性に対する考え方かもしれない」と述べている。
なお、QNXは、マイクロカーネルベースのリアルタイムOSを中心とするミッションクリティカルシステム向けのソフトウェアソリューションを展開している。採用実績では車載向けが最も広く知られているが、今回の調査対象となるロボティクスでも採用が広がっているという。
会見では、2026年3月開催の「Embedded World 2026」で展示した仮想工場コンセプトデモを披露した。インテルのCPU「Alder Lake」を搭載する産業用PCに「QNX Hypervisor 8.0」を組み込んでデジタルツインとなる仮想工場を動作させながら、実機であるFLEXIVの協働ロボット(QNXが組み込まれている)や、カメラ、ロボット操作用3Dマウス、LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)などをリアルタイムで連動させる内容になっている。
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