では、日本のGDPが国際的に見てどのような水準で推移していくのかについて、ドル換算値で比較していきましょう。経済指標の水準を国際比較する場合は、一般的に通貨単位をドルに換算して比較します。
まずは、図2で、市場為替レート(MER:Market Exchange Rate)でドル換算した推移から眺めてみましょう。
日本のGDPはドル換算値で見ると、1995年のピークから5兆ドル前後で横ばい傾向が続いています。日本は長年米国に次ぐ世界第2位の経済大国とされてきましたが、2009年に中国に抜かれ、2031年には5倍以上に差が開くと予測されています。
また、2022年以降急激に円安が進んだこともあって、円建てではGDPが拡大する一方で、ドル換算値では低下するという状況となりました。その間に、2023年にはドイツに抜かれて大きな話題となりましたね。
2025年以降で見ると、2026年にインドに抜かれ、2031年には英国に抜かれると想定されています。2031年になっても5.1兆ドルと1990年代の水準と大して変わっていません。
日本の経済は今後拡大傾向が予想されていますが、他国と比べてその拡大傾向も緩やかで、徐々に他国に追い抜かれていくことになりそうです。
IMFでは世界各国のGDPを集計していますので、各国の世界におけるシェアも計算することができます。
日本はかつて世界の2割近くのGDPを稼いでいたと言われます。では、世界各国が経済成長する中で、2031年にはどのような状況となっているのでしょうか。まずはドル換算値で日本経済のピークとなった1995年の世界シェアから確認していきましょう。図3は、1995年の名目GDPのドルベースのシェアです。
1995年の世界のGDPは31.4兆ドルでした。その中で米国が約4分の1を占め、日本が17.9%と2割近くのシェアとなっていました。日本、米国、ドイツの3カ国で世界のGDPのほぼ半分を占めていたことになります。また、当時の中国は、まだ2.3%のシェアでした。
これに対し、2031年の予想を示したのが図4です。
図4:名目GDPの為替レート換算値による2031年のシェア予測[クリックで拡大] 出所:「IMF World Economic Outlook database April 2026」を基に筆者にて作成2031年では、世界のGDPは157.3兆ドルと大きく拡大しています。その中でも、米国が相変わらずGDP全体の4分の1を占めるシェアを維持すると予測されています。さらに、中国が17.5%とかつての日本と同じくらいのシェアを獲得しています。次いで、インド4.3%、ドイツ4.0%、英国3.4%などが続きます。
日本は3.3%で、世界第6位となっており、世界のGDPの30分の1程度のシェアにとどまります。ドイツが4.0%で世界4位にとどまっていることと比べれば、日本の立ち位置低下が鮮明に見えます。
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