トリプルアイズは、グループ会社のBEXと共同で、外部ネットワークに接続せず安全に利用できる自動車設計業務向け「ローカル生成AIシステム」を開発した。
トリプルアイズは2026年4月20日、グループ会社のBEXと共同で、外部ネットワークに接続せず安全に利用できる自動車設計業務向け「ローカル生成AIシステム(チャットbot)」を開発したと発表した。
同システムは「生成AI(人工知能)を活用した設計ノウハウの高度利用」を目的とするもので、両社の共同プロジェクトの第2弾として位置付けられている。同年3月に発表した第1弾プロジェクトでは、設計の付帯業務(2D図面化やチェックなど)にかかる年間約4000時間の工数削減と品質向上を可能とする「自動車設計業務を効率化する自動化システム」を手掛けている。
自動車業界をはじめとする製造業の設計現場では、厳格な機密保持が求められるため、インターネット接続を前提とした一般的なクラウド型生成AIは、情報漏えいリスクの観点から業務システムに導入できないという課題がある。
この課題を解決するため、両社はトリプルアイズが持つ最先端のAI構築技術と、BEXが長年培ってきた自動車設計ノウハウを組み合わせ、外部インターネットに一切情報を出さない完全にセキュアなローカル生成AIシステムを構築した。
同システムでは、自社環境(オフライン)のみで稼働する高度な言語モデル(LLM)と検索拡張生成(RAG)技術を連携させている。設計者は専用のチャットbotを通じて、社内に蓄積された膨大な技術文書や自動車の要件定義書の中から、瞬時に必要な情報を検索し要約を取得できる。
図面データや機密性の高い要件定義書など、これまで外部のクラウドAIには入力できなかった情報も安全に利活用することが可能となる。これにより、顧客企業の機密情報をAIの学習データとして二次利用することなく、保護された環境下で最新の生成AI技術を実業務へ適用できるようになる。
両社は今後、同システムを実際の設計業務における技術要件の確認や関連文書の検索支援として本格導入し、設計者の業務効率をさらに高めていく方針である。
また、今回構築したセキュアなAI技術を設計領域へ応用し、両社が既に実用化している「ハイエンド3D CADソフト(CATIA)から形状データを数値データとして抽出する技術」と掛け合わせることで、将来的にはAIによる「過去の設計図面のスマート検索」や「新たな図面の自動生成」といった次世代設計プロセスの構築につなげる考えだ。
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