矢崎総業は高速車載ネットワーク向けのケーブルソリューションを展示した。図5の「同軸通信コンポーネント」はビデオ用シリアルバスであるGMSL向けの同軸ケーブルである。6GbpsのGMSL2および12GbpsのGMSL3に対応する。既に量産提供中だ。
「差動通信コンポーネント」はイーサネット向けで、100Mbpsの伝送が可能なJ-UTP(ジャケット付非シールドツイストペア)ケーブルと、1Gbpsの伝送が可能なSTP(シードツイストペア)ケーブルを提供する(図6)。コネクターはドイツのローゼンバーガー・オートモーティブのH-MTD互換である。
図6 車載イーサネットに対応した矢崎総業の差動通信コンポーネント。J-UTP(ジャケット付非シールドツイストペア)ケーブルやSTP(シードツイストペア)ケーブルなど、ニーズに応じた媒体を選択できる[クリックで拡大]また、ドイツの自動車メーカーが採用している光通信コンポーネント(光ファイバー)も展示した。EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)におけるバッテリー監視では高圧系と低圧系とをフォトカプラーなどを用いて絶縁する必要があるが、光ファイバーで接続することで絶縁が不要になるメリットがあるという。ただし最近は回路の工夫によってカッパー(銅配線)への置き換えが進みつつあるとのことであった。
矢崎総業はワイヤハーネスを幅広く手掛けていて、国内でトップクラスのシェアを誇る。こうした高速ネットワーク用ケーブルを単体で提供するだけではなく、他のケーブルと一体にしたハーネスとして提供できることを強みとして訴求する。
オーディオ関連ソリューションを展示したのがコーンズテクノロジーだ。「消す」「届ける」「管理する」という3つのカテゴリーに分けて展示した(図7)。
図7 静粛性の高いEVやHEVの普及を背景に車室内の快適性を追求する動きが活発になる中、コーンズテクノロジーは、「消す」(ノイズキャンセリング)、「届ける」(ビームフォーミング)、「管理する」(音場の設計とコントロール)ソリューションを通じて、こうしたニーズにアプローチする[クリックで拡大] 出所:コーンズテクノロジー「消す」に相当するソリューションがイスラエルのサイレンチウムが提供するアクティブロードノイズキャンセレーション(ARNC)である。30〜800Hzで6dB程度の静音化効果があるという。英国のジャガー・ランドローバーをはじめ、30車種以上で採用されている。
「届ける」として展示したのが英オーディオシーニックのビームフォーミングソリューションである(図8)。スピーカーアレイを用いて、ドライバーの耳元など特定の領域にだけ音を届ける技術だ。説明員によれば国内初出展とのことであった。
「管理する」ソリューションがカナダのオーディオキネティックのサウンドデザインツール「Wwise Automotive」である。運転状況に応じた臨場感のあるサウンドを構成できる。
これらソリューションを実装するにはマイクアレイやスピーカーアレイを接続する必要があるが、物理層(バス)に特に制限はないという。すなわち、I2Sで直接接続したり、イーサネットAVBやアナログ・デバイセズのA2B(オートモーティブオーディオバス)とつなげたりなど、要件に応じて自動車メーカーやサプライヤー側で選択できる。
エンジンノイズのないEVではこれまで以上にロードノイズが知覚されるようになり、車室内の快適性の向上が新たな価値軸になっている。実際に国内自動車メーカーの来場者数名が熱心に質問している姿が見られた。
オーディオ関連ソリューションの隣の展示エリアでは、コーンズテクノロジーが取り扱っている米オーディオプレシジョンのオーディオアナライザを用いて、6マイクロホンアレイを用いた車内音声評価システムおよびアナログ・デバイセズが提供するA2Bの音声評価システムも展示していた。評価システムを含めトータルでの提案を訴求する考えだ。
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