そして、注力事業に基づく6つのコア技術を強化する。その6つとは、エッジコントロール技術、エッジセンシング技術、電力変換/制御技術、Agentic AI(エージェント型AI)、分散/クラウドコンピューティング、データマネジメントだ。開発投資を増やすだけでなく、従来の2.5倍の開発生産性を目標に掲げて取り組む。
また、コスト競争力を高めるため、中国での事業に関する中国国内でサプライチェーンの完結と、ハードウェア/ソフトウェア共通の製品開発へのプラットフォーム移行、グローバル標準品への統合によるSKU(Stock Keeping Unit)数の最適化を進める。さらにグローバル代理店とのパートナーシップ拡充を含む販売チャンネルの多様化を加速。カスタマーベースマップの導入など顧客情報の一元管理を進め、営業プロセスを効率化する。
リソースアローケーションとして、注力事業への開発投資を2024年の約40%から、2030年度には約60%へと拡大する。注力事業において、社内外からの1000人超の人材増強も行う。
SF 2nd Stageにおける制御機器事業の目標は「復活あるのみ」(辻永氏)とした。その第一歩としては顧客の可視化を挙げた。従来の特定業界2万社の可視化から、グローバル11万社の可視化へと拡大。カスタマーベースマップなどを活用して、それらの顧客情報を面的に把握し、データに基づいて需要を先読みする。
「従来は成長著しいグローバル2万社の可視化にとどまり、その他の顧客に関しては代理店を通じた間接的な把握にとどまっていた。顧客全体の課題、ニーズを十分にくみ取れていなかった。代理店との連携強化やデジタル技術の活用で11万社を見える化し、顧客の成長機会や変化を的確に捉えられるようにする」(辻永氏)
このカスタマーベースマップでは、オムロンの製品ラインアップと納入状況を俯瞰して見られるようにしたもので、11万社の中で、どこで何が売れているのかが一目で分かるようになっているという。
「カスタマーベースマップがバリューチェーンの起点になる。どんな顧客属性においてわれわれの強みが出ているか、逆に出ていないかがマップの変化を見ることで分析できる。これを全ての基本にして、製品、技術の強化を進めていく」(辻永氏)
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