SOLIZE Ureka TechnologyとVI-gradeの日本支社であるコンカレント日本は、自動運転シミュレーションの開発で協業を開始する。
SOLIZE Ureka Technology(Ureka)とVI-gradeの日本支社であるコンカレント日本は2025年10月27日、自動運転シミュレーションの開発で協業を開始すると発表した。今後、Ureka本社(東京都千代田区)、VI-grade SimCenter Tokyo(東京都江東区)、SimCenter Udine(イタリア ウディネ)の3カ所でレーストラックによる自動運転シミュレーションのデモを体験できるようになる。
Urekaは、2021年に車両レベルで自動運転性能を評価可能な「自動運転シミュレータ」を導入し、自動運転制御アルゴリズムの開発を進めてきた。同シミュレーターには、交通シナリオ生成ソフトウェア「VI-WorldSim」、リアルタイムコンピュータ「AutoHawk」などVI-gradeの製品を使った。同社の技術を活用することで、目標経路や車速の計算、ステアリング/アクセル/ブレーキ操作量の算出など、制御アルゴリズムを高効率に構築できるようになった。
加えて、制御アルゴリズムの性能を容易に伝えるデモコンテンツの開発も行ってきた。VI-WorldSimはシナリオ生成自由度が高いという特長があるため、市街地/高速道路から車両の限界性能が試されるレーストラックまで、現在では多様なデモコンテンツを備えている。
VI-gradeは、車両ダイナミクスのシミュレーションで30年以上の経験があり、リアルタイム/シミュレーションとドライビング/シミュレーター/ソリューションなどを提供してきた。ダイナミックシミュレーターの「DiM(Driver-in-Motion)」シリーズは、主にOEMやモータースポーツ分野向けに納入されている。
一方、Urekaは長年の経験の蓄積から、ブレーキ/ステアリングなど現代の乗用車に不可欠な車両運動制御のモデリングのノウハウがあり、これらを自動運転と融合させることにより、車両性能の最適化を可能とする。加えて、ドライバーが自分で運転する場合も、運転操作を自動運転アルゴリズムがサポートすることで限界走行ができる「アシスト機能」も開発している。
Urekaのアルゴリズム/モデルやデモコンテンツをVI-gradeのシミュレーターDiMで動かすことで、各社の技術的な優位性をより平易に伝えられると考え、協業で自動運転シミュレーションを開発することに合意した。レーストラックは両社の技術を最も生かせる舞台だ。Urekaのアルゴリズムがもたらす安定した自動運転とアシスト機能による限界走行を、VI-gradeのモーションプラットフォームとキューイング技術で高い臨場感とともに再現する。
モビリティサービスを体験しながら開発できるシミュレーション環境
ティアフォーがE2E自動運転アーキテクチャを独自設計、「Autoware」を通じて公開
シミュレーションの力でSDV時代の自動車開発を加速するAnsys
自動運転車両の定期点検向けテストベンチを共同開発
IAVと東芝DSL、自動運転システム向け仮想検証サービスを共同開発
2030年の物流の課題解決に必要なのは「自動運転車×共同輸送」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク