清掃ロボットを完全内製化したアイリスオーヤマ、AIとの融合でさらなる進化へロボット開発クローズアップ(3/4 ページ)

» 2025年11月06日 06時00分 公開
[森山和道MONOist]

NTT西日本「ロボットは次世代の社会インフラ」

 NTT西日本との連携については大山氏が再び登壇して解説した。アイリスオーヤマの持つR&Dやものづくり、営業力と、NTT西日本グループの基盤技術や保守監視点検などの全国規模体制、それぞれの強みを掛け合わせるべく基本合意覚書を締結しており、フィジカルAIとロボットを含めたIoT(モノのインターネット)領域における革新的なサービスの共同事業化を検討する。大山氏は「ロボットだけでは『点のサービス』にしかならない。NTT西日本グループと連携し各種端末やビルと連携することで、保守サービスのさらなる合理化に貢献したい」と述べた。

アイリスオーヤマとNTT西日本の基本合意の内容まずは主にビルマネジメントのさらなる合理化を目指す アイリスオーヤマとNTT西日本の基本合意の内容(左)。まずは主にビルマネジメントのさらなる合理化を目指す(右)[クリックで拡大] 出所:アイリスオーヤマ

 NTT西日本 代表取締役社長の北村亮太氏は「われわれは長らく通信サービスを提供してきた。今後も社会の課題解決、価値創造に資するビジネスを展開したい。その一環として今回の提携で裾野を広げたい」と述べる。

 そしてNTTグループがロボット事業に取り組む意義について、あらためて労働力不足の構造課題解決を挙げた。ロボットを「次世代の社会インフラ」として捉え、労働力不足の解決や、生産性を高めて経済を活性化することを目指す。

NTT西日本はロボットを次世代の社会インフラと捉えている NTT西日本はロボットを次世代の社会インフラと捉えている[クリックで拡大] 出所:NTT西日本

 NTT西日本グループの強みとしては、無線技術や生成AIなどの研究開発力に加え、全国で400を数える保守拠点や1万人の保守人員が挙げられる。

 異なる種類のロボットを制御/運用/監視するための機能と、各種AIと連携できるワンストップサービスであるAIロボティクスプラットフォームは2025年12月15日から提供を開始する予定だ。2023年12月に発表したロボットスタートアップのugoとの協業事業化基本合意を経て共同開発を進めてきたものだ。

NTT西日本の「AIロボティクスプラットフォーム」と連携 NTT西日本の「AIロボティクスプラットフォーム」と連携[クリックで拡大] 出所:NTT西日本

 JILBYには、NTT西日本が同プラットフォームから機能を厳選して提供する。清掃ロボット向けのAIエージェントも提供し、遠隔からの清掃指示、ロボットからの状況報告、データ分析、複数台モニタリングなどが可能になる。北村氏は「ロボット自らが状況判断をして行動を変えるフィジカルAIの要素も含まれている。わくわく感でいっぱいだ」と期待を込める。

AIエージェント機能のイメージ AIエージェント機能のイメージ。清掃指示を自然言語で遠隔から出したり状況報告させたりできるだけでなく、ロボットからの分析/提案も可能に[クリックで拡大] 出所:NTT西日本

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