OKIエンジニアリング(OEG)は自動車の安全/品質要求の高まりに対応する、車載向け「ISO/IEC 17025」認定環境試験サービス3種を提供開始すると発表した。
OKIエンジニアリング(OEG)は2025年10月29日、自動車の安全/品質要求の高まりに対応する、車載向け「ISO/IEC 17025」認定環境試験サービスを開始すると発表した。同社は新たに「飛び石試験」「オゾン試験」「スプラッシュ試験」の3つを同年10月30日に提供を開始し、価格は個別見積もりである。2026〜2028年度の3年間で累計3億円の売上高達成を目指す。
OKIエンジニアリング 計測事業部 事業支援グループ グループ長の佐藤大介氏は「これまで自動車部品サプライヤーは特定の自動車メーカーに製品を納めるのが一般的だった。しかし事業環境の変化もあって、近年は他の自動車メーカーにも製品を納めるようになってきている。そしてグローバルに製品を展開しようとするサプライヤーも増えてきている。そのため、グローバル標準で品質を証明できる書類/認定マークを必要とする企業が増えている」と語る。
近年、自動車メーカーを頂点にした密接な企業関係から抜け出す「脱ケイレツ」などによるグローバル化や環境規制の強化を理由に、自動車産業に特化した国際品質保証規格である「IATF 16949」認証を取得する企業が増えている。同認証では、第三者機関への依頼や世界標準品質が要求されるため、これらの規定を満たしていることを証明するために国際規格の認定取得が必要である。
加えて、ADAS(先進運転支援システム)対応のLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)センサーやカメラなどの車載電子機器は、車体の露出部への実装が増加しており、厳しい環境への対応性/信頼性が求められている。また、環境負荷軽減に向けた樹脂やゴムなどの新素材の採用も増加している。
これらの背景から、特定の種類の試験および校正を実施する機関の技術能力を証明する国際規格のISO/IEC 17025を認定取得した試験所/機関での試験需要が増えている。しかし、国内での認定試験が可能な場所が非常に限られており、すぐに試験を実施できる環境がうまく整っていないのが現状である。そのため、ISO/IEC 17025認定試験がなかなか実施できずにIATF 16949の「外部試験所要求事項」を満たせず、グローバルに対応した品質証明で悩む企業が多く存在している。
この課題を解決するために、OKIエンジニアリングはADAS関連部品や新素材の採用時に要求されている特殊性の高い試験「飛び石試験」「オゾン試験」「スプラッシュ試験」の3項目で新たにISO/IEC 17025認定を取得した。これにより合計21項目の認定試験が可能になり、グローバルサプライチェーンへの参入や品質証明をより円滑に実施できる。
「認定未取得の項目についても、顧客要望に応じて順次拡大していく。さまざまな規格で定められていることを正確に実施するためには、細かい仕様や試験の知識が重要になる。われわれはこれまでの試験で培ってきた技術や経験を生かして、認定試験サービスの拡大を目指す」(佐藤氏)
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