Alteraは、「Agilex FPGA」製品群の量産出荷開始と新ツール「Visual Designer Studio」を発表した。同ツールはFPGA設計の立ち上げ時間を従来の5日から2時間に短縮し、開発効率を高める。
Altera(アルテラ)は2025年9月30日(現地時間)、開発者会議「Altera Innovators Day 2025」で、FPGAポートフォリオの拡充と新ソフトウェアツールを発表した。また、「Agilex 5」「Agilex 3 SoC FPGA」をはじめ、「Agilex FPGA」全ファミリーの量産出荷を開始した。
「Agilex 5 D」シリーズFPGAおよびSoCは、ロジック集積度が最大2.5倍に引き上げられた。最上位モデルは、1つのデバイスで最大160万ロジックエレメントを搭載する。Dシリーズは、高いDSPブロック比率とロジック集積度、大容量メモリ帯域幅を兼ね備えており、産業機器や通信、データセンターなど省スペースかつ高性能が求められる幅広い用途に対応する。
また、Agilex 5 DシリーズFPGA全製品において、DDR5インタフェース速度を最大5600MT/秒、LPDDR5を最大5500MT/秒へと引き上げ、従来比で25%高速化した。エッジAI(人工知能)推論、4K/8K映像処理、5G/6G無線用途などに求められる大容量、高スループットを提供する。また、ポスト量子暗号(PQC)対応のセキュアブート機能を搭載し、セキュリティを強化した。
新ツール「Visual Designer Studio」は、「Quartus Prime」ソフトウェア(バージョン25.3)に追加された。IPブロックの接続を自動化し、設計要件に基づいた最適なIPルーティングを提案する。ドラッグ&ドロップの操作でIPブロックやRTLコードを視覚的に統合できるため、FPGA設計の立ち上げ時間を従来の約5日からわずか2時間へ短縮できる。さらに、コンパイル時間をバージョン25.1.1比で6%改善。設計効率が向上している。
また、Alteraは300社以上のパートナーを有する「ASAPプログラム」により、開発者を支援する。開発者は認定パートナーが提供するIPや設計サービスを通じ、市場投入までの期間を最大50%短縮できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク