会見会場では、実際にパナソニックグループが摘発した多数の模倣品を展示した。
上のシェーバーについては、存在しないパッケージを製作して販売しているケースである。東南アジアで摘発された模倣品であり、パッケージが偽物だということを知らなければ購入してしまってもおかしくない代物だ。
上の電池については、パナソニックのイメージカラーを悪用した模倣品であり、青色のパッケージの正規品はそもそも存在していない。下の写真の赤色のパッケージの商品が正規品である。
パナソニック側は青色が模倣品だとすぐに判別がつくので現地当局などに指示ができるが、ユーザー側は正規品の色を知らなければ、勘違いして購入してしまう確率が極めて高い。
上のタイムスイッチについては、会場内で一番悪質な模倣品だと感じた事例である。外箱のデザインも同じで、中身の製品についても一見すると模倣品と正規品の区別がつかない。正規品は正面に印字してある文字の濃さが統一されており、横側は本体にきちんと印字がしてある。
模倣品については、横側は後からシールを貼って剥がせるようにしている。そして、パナソニックのロゴについては正規品よりも色を濃くして強調させており、“いかにも私が本物です”という見せ方をしている悪質な偽物である。
模倣品については、当初は一般客向けのヘアドライヤーや乾電池などのB2C商品がリアル市場で販売されていたが、それが配線器具や自動車用電池などのB2B製品にまで広がっている。さらにコロナ禍以降はオンライン取引が急増したことにより、偽のECサイトや動画サイトやSNSでパナソニックを語る偽広告を流すなどして顧客を引き寄せ、個人情報を抜き取るなどのさまざまな被害が増えている。青木氏は「最近のSNS詐欺広告では、無関係な人間がパナソニックグループを名乗り、SNS詐欺広告を出す『成りすまし』に加え、実際に商品を販売して利益を得る事例もある」と強調する。
パナソニックを語る成りすまし被害については全て日本で発生しており、2024年度から急増している。これに対してパナソニックは対策を取ることで事態は一時収束したが、2025年の夏頃からまた再燃しているという。商品販売についても、SNSのショート動画で時間限定販売の商品があるとうたい、注文サイトに誘導し、実際に購入をしたが商品が届かなったという問い合わせを受けたという事例が発生している。
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