日産自動車、京浜急行電鉄、BOLDLY、プレミア・エイドの4社が横浜市で2025年11月末から自動運転モビリティサービスの実証を開始する。一般乗車モニターも募集し、市街地エリアで同時に最大5台が走行。検証車両には日産自動車の「セレナ」を使用する。
日産自動車、京浜急行電鉄、BOLDLY、プレミア・エイドの4社は2025年10月3日、神奈川県横浜市で同年11月末から実施する自動運転モビリティサービスの実証実験の詳細を発表した。同日、横浜市の日産自動車グローバル本社ギャラリーで報道陣向けに実証の概要説明や使用車両の展示を行った。
実証は横浜市のみなとみらい、桜木町、関内、石川町(横浜中華街)を含む市街地エリアで、2025年11月27日〜2026年1月30日の約2カ月間実施する(2025年12月20日〜2026年1月6日は年末年始のため休止)。同期間中の火曜日〜金曜日の8時半〜16時の日時で自動運転モビリティサービスを提供する(月曜、土曜、日曜は休止)。エリア内には乗降地26カ所と車両待機所2カ所(みなとみらいPLOT48と神奈川県庁本庁舎駐車場)を設け、市街地エリアの広範囲をカバーする。
実証に用いる車両は、日産自動車の「セレナ」をベースとした検証車両で、デザインコンセプトは「どこでもドア」。「ドアから入ると、横浜を自由に移動できる体験を提供したい」と発表会で紹介した。乗客定員は3人とし、最大で5台が同時に走行する。同時運行台数については2026年度中に最大20台まで増加させる計画である。
走行はSAE(米国自動車技術会)が定める自動運転レベル2相当で、乗客とは別にセーフティドライバーが同乗し実施する。自動運転レベル2は加速/減速やハンドル操作の制御をシステムが担うが、ドライバーが常にハンドルを握り、運転状況を監視しながら走行する。
日産自動車は、今回の検証結果を生かし、2027年度以降のサービス提供開始を目指すとともに、自動運転レベル4相当(限定領域内でドライバー不要の自動運転)の検証や実用化に向けた弾みにしたい考えだ。
会見で日産自動車 代表執行役社長兼CEOのイヴァン・エスピノーサ氏は次のように語る。
「当社は2018年に自動運転を使った次世代モビリティの開発と実証を開始し、2025年2月には日本で初めて市街地での運転席無人走行を実現した。今回の横浜実証を通じ、参加各社のノウハウを吸収することでモビリティの革新につなげていきたい」
日産自動車は、2024年2月に「自動運転モビリティサービスの事業化に向けたロードマップ」を発表している。今回の横浜実証を起点とし、2026年1月には兵庫県神戸市でEV(電気自動車)「リーフ」をベース車両を用いた自動運転実証プロジェクトを実施する計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク