旭化成エレクトロニクスは、アンテナ一体型ミリ波レーダーモジュール「AiM」と小型評価キットを組み合わせたセンシングソリューションの提供を開始した。カメラを使わずに、見守りなど人の状態検知を実装できる。
旭化成エレクトロニクスは2025年9月4日、アンテナ一体型ミリ波レーダーモジュール「AiM(Antenna-in-Module)」と小型評価キットを組み合わせたセンシングソリューションの提供を開始した。カメラを使わずに、見守りなど人の状態検知を実装できる。
AiM(「AK5816AIM」「AK5818AIM」)は、ミリ波レーダーIC「AK5816」「AK5818」とアンテナを23×23mmの基板に一体化した小型モジュールだ。多チャンネル測定が可能で高角度分解能を持つため、人物の位置や動き、転倒などを3Dで検知する。アンテナはこれまで専門的な設計が必要だったが、モジュールに統合したことで開発工数が削減し、導入しやすくなった。
評価キットは「AIMEZ-V」と「LUMI」の2種を用意。どちらもカメラレスで呼吸、位置、姿勢、転倒などの検知ができる。また、両キットとも基本ソフトウェア環境を整備しており、独自アルゴリズムの組み込みが可能だ。
AIMEZ-VはUSB、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth Low Energyなどに対応し、PoC(概念実証)の迅速な立ち上げや実装の検証に適している(オンライン購入にも対応)。
LUMIは、より高度なセンシング要求に対応する。高性能SoCを搭載し、大容量のデータ処理やML(機械学習)を用いたアルゴリズム開発が可能だ。
想定用途は空調、照明などの家電、住宅設備、IoT(モノのインターネット)見守り機器など。人の動きや在室状況から自動で制御できるため、省エネと快適性を向上するほか、カメラを使用しないため、浴室などカメラの設置が難しい空間でも、プライバシーに配慮した見守りや異常検知ができる。さらに、高齢者の呼吸や姿勢、転倒を非接触検知して、介護負担の軽減や異常発生時の素早い対応を支援する。
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