準備が整いました。表2に設計計算Excelシートを、表3に計算式を示します。
ここで、少し数値を見てみましょう。表4に温度と圧力損失を示します。
入り口の平均流速が0.100[m/s]の列が層流、0.600[m/s]の列が乱流となります。混合平均温度はそれぞれ63.6[degC]と31.4[degC]、導体最高温度は75.4[degC]と32.0[degC]でした。0.600[m/s](乱流)のケースでは入り口温度が25[degC]のため、温度上昇はほとんど見られません。圧力損失はそれぞれ183.3[Pa]と3777.2[Pa]で、層流と乱流と比較して(流速が6倍に増えると)、圧力損失は約21倍に増加しました。
コイルを平均流速0.1[m/s]で設計する場合、流量が7.069×10-3[m3/h]のとき、揚程が183[Pa]となるポンプを選定することになります。その結果、導体最高温度は75.4[degC]となるため、絶縁材には75.4+マージン[degC]以上の耐熱性能が求められます。
一方、平均流速0.6[m/s]で設計する場合は、流量が4.241×10-2[m3/h]のとき、揚程が3777[Pa]となるポンプが必要です。結果として導体最高温度は32.0[degC]となり、絶縁材には32.0+マージン[degC]以上の耐熱性が必要になります。
仕様にぴったり合致するポンプや絶縁材を見つけるのは簡単ではないため、このように設計計算Excelシートの数値をいろいろと変えてパラメーターサーベイを行って、入手可能でコストパフォーマンスの良い組み合わせを探すことになります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.