早稲田大学は、メタンと二酸化炭素を主成分とする発酵ガスから、化学原料を200℃以下の低温で安定的に製造する技術を開発した。炭素析出がほとんど発生せず、安定してエネルギー効率よく化学原料を得られた。
早稲田大学は2025年7月21日、CH4(メタン)とCO2(二酸化炭素)を主成分とする発酵ガスから、化学原料を200℃以下の低温で安定的に製造する技術を開発したと発表した。クラサスケミカルとの共同研究による成果だ。
バイオマス系の資源や食品廃棄物を発酵して得られるバイオガス(発酵ガス)は、温暖化の要因となるメタンとCO2が含まれる。今回の研究では、この2つから化学原料を作るため、独自に開発した触媒(1wt%Ru/La2Ce2O7)を活用。さらに、固体触媒表面で水素イオンが動く、プロトンホッピングを生かした高圧でのドライリフォーミングを検討した。
その結果、従来は800℃の熱を必要としていたが、200℃以下の低温で化学原料を生み出すことに成功。CH4とCO2の高い転化率と良好なH2(水素)とCO(一酸化炭素)比を達成した。また、これまで課題だった炭素析出がほとんど発生せず、安定してエネルギー効率よく化学原料を得られた。
バイオガスを欲しいときに欲しい分だけ化学原料へ転換できる同技術は、さまざまな用途や地域での活用が期待される。今後、大型化や効率向上を目指し、実用化に向けた研究に取り組む。
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