「モデルベース定義」では、3Dモデルに幾何公差などの製造情報を付加する「3DA(3Dアノテーション)」の機能が強化された。
今回は「共有」と「再利用」の観点での改善があり、STEP AP242形式や3D PDFへのエクスポート機能が強化された他、スタンドアロンアノテーションや既存モデルからの3Dアノテーションの再利用機能も強化されている。
「製造性を考慮した設計」では、CAD/CAM/CAEを統合したCreo上での設計において、NC加工や3Dプリントなどの製造工程を意識した機能が強化された。
特に注目されるのは、アディティブマニュファクチャリング(AM)を活用した金型設計/製造へのアプローチである。近年のAM技術の進化により、理想的な冷却穴を形成する「コンフォーマル冷却金型」への関心が高まっており、冷却効率化による生産性の向上、金型寿命の延長、変形の抑制(品質向上)といった効果が期待される。今回のバージョンでは、モデル形状に基づき最適な冷却用水管の流路(冷却チャネル形状)を自動生成する機能が新たに追加された。
このように、Creo 12では設計、解析、製造の各プロセスにおけるニーズに幅広く応えるアップデート内容を含んでおり、モノづくりのDX推進を支える中核ツールとして、さらなる進化を遂げている。
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