――今後の展望を教えてください。
森下氏 私たちは、さまざまな鞄を作れる技術や生産体制を有していますが、それだけに「今どのようなものが求められているのか」という視点の重要性を、以前にも増して強く感じています。
単に「自分たちが作りたいから」という理由ではなく、お客さまのライフスタイルに合っているか、あるいは潜在的に求められているものなのかを見極めながら、丁寧に向き合っていきたいと考えています。
また、私たちのフレーム技術は、鞄に限らず、防災や収納といった他の分野にも応用できる可能性を秘めています。そう考えると、「今はたまたま鞄という形をとっているだけ」であって、ユーザーの課題を起点に発想すれば、鞄以外の異なるプロダクトとして展開することも十分にあり得ます。
課題を抱え、その解決策として商品を求めている方々の熱量に応えられるようなモノづくりを、今後も目指していきたいと考えています。そこにこそ差別化の余地があり、われわれの強みが発揮できる部分だと確信しています。
⇒連載「新製品開発に挑むモノづくり企業たち」のバックナンバーはこちら
⇒記事のご感想はこちらから
長島清香(ながしま さやか)
編集者として地域情報誌やIT系Webメディアを手掛けたのち、シンガポールにてビジネス系情報誌の編集者として経験を重ねる。現在はフリーライターとして、モノづくり系情報サイトをはじめ、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。
ゆらめく“非常識”な赤い炎 岩谷産業のカセットガス技術が光るインテリア暖炉
日本の酒造りをもっと自由に 若き醸造家が「クラフトサケ」で呼び覚ます文化
それでも挑戦は止められない 東レ発ベンチャーが見つけた「幸せな関係」の作り方
覚悟決めて売る! 老舗石けんメーカーがこだわる“クリーン”なモノづくり
「できること」起点のモノづくりは通用しない 靴メーカーが失敗から得た教訓
履き心地と風合いを両立した「双糸デニム」 若手が集まる老舗メーカーの描く未来Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造マネジメントの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム