アヴェニールEV1はこうしたニーズや市場を踏まえて、刺しゅうにしたいデータの取り込みや刺しゅうできるサイズの機能を強化した。
刺しゅうにしたい写真や画像はUSBメモリや専用アプリから取り込める。線画であればミシン本体からスキャンして取り込むこともできる。PC向けの刺しゅうデータ作成ソフトウェアも用意している。
写真や画像はAI(人工知能)によって刺しゅうデータに変換する。元データに近い質感だけでなく、ペンシルスケッチ風や浮世絵風など異なるタッチに変更することも可能だ。子どもがクレヨンで描いた絵でも刺しゅうで再現できるという。
刺しゅうにかかる時間はあらかじめ本体で確認できる。上記の虎の刺しゅうであれば3〜4時間かかり、刺しゅう糸は途中で適宜交換する必要がある。刺しゅう糸はオプションで21〜40色のセットが用意されている。
刺しゅうできるサイズは46.5×29.7cmで、「家庭用ミシンとしては業界最大」(ブラザー工業)。また、刺しゅうのデザインを生地の上に投影してシミュレーションできるプロジェクター機能も採用した。投影できるサイズは12.7×20.3cmで、専用タッチペンを用いれば生地の上で角度や縮尺を調整できる。
プロジェクター機能は、縫製時のガイドラインも表示できる。縫い合わせやファスナー、ピンタックなどのステッチを正確に仕上げられるという。
さらに、生地のエッジを検出する赤外線システムが生地の動きを検知し、ユーザーが生地を動かす速度に合わせてミシンが針の速度を自動的に調整。ステッチの長さを一定に維持する。手動での速度調整は不要で、作業効率を向上させる。設定などの操作は10.1型の大画面ディスプレイで行う。
コロナ禍で日本発売したルミナイアーXP1は、開発当初は日本導入の予定がなく日本語に対応していなかった。アヴェニールEV1は日本語に対応した。
アヴェニールEV1は欧米やオーストラリアで先行販売しており、好評を得ているという。
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