ブレッドボードの表裏を使ってFPGA評価ボードの万能UI「dpad」を新生させる注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(26)(3/3 ページ)

» 2025年04月14日 10時00分 公開
[今岡通博MONOist]
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AボタンとBボタンのはんだ付け

 それではブレッドボード裏面に上下左右とA、Bの各ボタンに対応するタクトスイッチをはんだ付けしていきます。

 まずは右下にあるAボタンとBボタンから。図7にあるように、筆者が使っているタクトスイッチはスルーホール用の部品なので、事前準備としてスイッチの足を広げてソケット底に対してなるべく接触面が大きくなるようにします。Aボタンの右側にある上下のピンは30番の列に対応する下側の行のソケット底にはんだ付けします。Aボタンの左側にある上下のピンも同様に、28番の列に対応する下側の行のソケット底にはんだ付けします。

 そして、Bボタン右側の上下のピンは27番の列に対応する下側の行のソケット底に、Bボタン左側の上下のピンは25番の列に対応する下側の行のソケット底にはんだ付けします。

LEDドットマトリクスを装填するICソケットのはんだ付け

 次に、LEDドットマトリクスを装着するソケットをはんだ付けしましょう。このソケットは、10ピン×2列で合計20ピンのスルーホール用ICソケットを縦に切って10ピン1列が2個になるようにします。

 これもタクトスイッチのピンと同様に外側にピンを折ります。外側というのは、ソケットを切る前の状態での外側のことです。ICのピンをばねで挟み込むタイプのICソケットのピンは、一般的に内側から外側に向かって傾斜しています。他にも丸ピンタイプのICソケットがありますが、今回の用途には向いていません。ICソケットとしてばね式より高性能なのですが、ICソケットのピンの足が固く横に広げることができないのです。

 今回は、ばね式のICソケットを使い、ピンの足を外側に広げることで、ブラッドボード裏面のソケット底との接地面を多く取れるようにしてはんだ付けしやすくします。

 ブレッドボードの表面に対応するホール位置でいえば、b-12〜b-22とi-12〜i-22にはんだ付けします。ただし、それを目印にはんだ付けしてもドットマトリクスのピン位置と微妙にずれてしまいます。最初はICソケットをドットマトリクスのピン差し込んだ状態にしてから、それをブレッドボードの裏面に押し当てて位置決めしてはんだ付けするのが確実でしょう。

上下左右ボタンのはんだ付け

 次に、裏面の左側に位置する上下左右ボタンのはんだ付けを行います。

 まずは上ボタンから。図7のように3番と5番の列に対応する上側の行のソケット底にはんだ付けします。下ボタンは、3番と5番の列に対応する下側の行のソケット底にはんだ付けします。

 ちょっと手間がかかるのが左ボタンと右ボタンです。左ボタンは、1番の列に対応する上側の行のソケット底と、1番と3番の列に対応する下側のソケット底にはんだ付けします。タクトスイッチの足は4本なので、3番の列に対応する上側のソケット底にもはんだ付けしたいところですが、そこにははんだ付けしません。よって、その分のタクトスイッチのピンはカットしておきます。

 右ボタンは、5番と7番の列に対応する上側の行のソケット底と、7番の列に対応する下側のソケット底にはんだ付けします。残ったピンは、やはりあらかじめカットしておきます。

LEDドットマトリクスの装填

 図8は、上下左右ボタンを左側に置き、ブレッドボードの側面から撮影した新生dpadです。

図8 図8 ブレッドボードの側面から撮影した新生「dpad」

 LEDドットマトリクスは、1088ASという型番の表示が見える方を手前に向けて、10ピン分あるICソケットの左側から装填(そうてん)します。今回の用途では、LEDドットマトリクスは8ピンなので、片側8ピン、すなわち16ピンのICソケットを使えばよかったのですが、筆者の作業場には20ピンのICソケットの在庫が大量にあったので使いました。上下それぞれ2ピン余りますが、何かの都合でLEDドットマトリクスの装填位置をずらす必要が出てきた時の予備として使えます。

おわりに

 今後は、この新生dpadである「dpad3」を使って記事を展開していきたいと思います。また、もっと量産に適した設計にして、dpad3をUIにしたFPGA評価ボードを読者の皆さんが手元で実際に動かして記事を楽しめるようにもしたいものです。

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