Catena-Xは、標準/ルール/アーキテクチャなどを規定する非営利組織であり、アプリケーションなどの実サービスは提供しない。実サービスを提供する組織としては、公募の上でドイツではCofiity-Xが認定されている。
Cofinity-Xは、BASF、BMW、ヘンケル、メルセデス・ベンツ、SAP、シェフラー、シーメンス、Tシステムズ、フォルクスワーゲン、ZF、ロールスロイスの合弁会社として設立されている。Catena-Xは日本を含めて各国でこうした運営会社を設立することを呼びかけている。Cofinity-Xは、Catena-Xの標準に準拠したアプリケーション/データスペースを利用しデータを交換するためのサービス/アプリケーションの提供や、iPhoneにおけるApp Storeのようなマーケットプレースを開発、運営している。マーケットプレースで公開される全てのアプリケーションは、Catena-Xの認証を得ているものとなる。
Cofinity-Xのマーケットプレース上では、Catena-Xとして想定しているユースケースを実現するアプリケーションがかなり出そろってきている。
特に協調領域系は開発が進んできており、今後競争領域部分への注力が移っていくと想定されている。図11は、図5で紹介したCatena-Xの想定ユースケースだが、赤枠で囲っているのがそのうちCofinity-Xのマーケットプレースを通じてアプリケーションローンチが完了しているものとなる。
トレーサビリティーや持続可能性、循環経済、需要とキャパシティー管理などの協調領域に当たるデータ連携アプリケーションのローンチが進んでいる。一方で、残りは「デジタル行動ツイン」「モジュラー生産」「オンライン制御とシミュレーション」「サービスとしての製造(MaaS:Manufacturing as a Services)」などの、オペレーションの高度化や、ビジネスモデル変化につながる競争領域であり、今後の開発としてはこれら競争領域部分に注力が移っていくことが考えられる。
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