ソディックは、リニアモーター駆動の超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove+Edition」を発表した。ワイヤ回転機構や省エネ機能を搭載し、精密金型製作で要求される長時間安定加工と省力化に対応する。
ソディックは2024年11月5日、リニアモーター駆動の超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove+Edition」の販売を開始した。価格はオープンで、年16台の生産を目標にする。
新製品は、精密金型製作で要求される長時間の安定加工と省力化に対応する、油加工液仕様のワイヤ放電加工機だ。従来機「AX350L」の性能を向上し、ワイヤ回転機構や省エネ機能を搭載することで、小型電子部品や金型部品、さまざまな高精度金型の高品質かつ高効率な生産に貢献する。
先進の構造解析技術や熱変位シミュレーションなどを活用し、機械変位を最小に抑える構造に見直すことで機械剛性が向上した。高剛性の門型構造や環境診断機能、独自の熱変位補正システム「TH-COM」に加わった制御モードにより、加工物や加工液の温度を精密に管理するため、長時間にわたり安定した金型プレート加工ができる。
また、荒加工の放電波形を従来よりも細かく制御することで、高エネルギーでも断線を抑えた加工ができる。独自の新技術「ワイヤ回転機構」は、ワイヤを緩やかに回転させて電極消耗による加工への影響を排除することで、高精度な加工寸法と高品質な加工面が得られる。同技術は、加工速度を高めつつ、ワイヤ電極の全周を活用してワイヤ消費量を抑えるため、仕上げ加工でのワイヤを最大30%削減する。
加工状態に応じて加工液の循環と送液ポンプを最適に制御することにより、AP350Lと比較して消費電力量を10%削減。自動電源遮断のON/OFFワンタッチ切り替え機能や、ランニングコストの状況をリアルタイムに表示するガジェット機能「eco collections」を搭載し、CO2排出量や消費電力の削減にも貢献する。
機械本体のサイズは1600×2505×2185mmで、質量は4950kg。XYZ軸移動距離は350、350、220mm(サービスストローク100mm含む)、最大ワーク寸法は540×500×100mm、最大加工物質量は300kgだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.